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抱きしめた時に、颯人のピアスが気になった。
「…いつから、ピアスをしているんだ?」
「高校入る前に、願掛けで」
「願掛け?自分で開けたのか?」
「さすがに病院だよ。両方同じ所に、開けられないから」
「そっか」
「茉莉、サンドイッチ食べて」
パクッと、また颯人の手から食べた。
全部食べ終えると、颯人が身体を回転させて抱き合った。
スリスリと、すり寄ってくる颯人が可愛くて、おでこに頬にキスをした。
そういえば、と颯人が言う。
「…百合ちゃんとかりん先生が、同級生なのは本当に知らなかった」
「あぁ、高校からの友達だからな。仲が良いのはもう1人、美玲って言って社長秘書がいるけど、3人揃うとすごい…うるさい」
しかもみんな美人系だから、周りに知らない人がたくさん集まってきた事もある。
「そういえば、かりん先生にAV見せてもらった」
「はあ?!」
(何でAVを、かりんが持ってるんだよ!)
「あ、女の人が出るのじゃなくて、その…男同士の」
「ゲイビか?」
それならわかる。
かりんは、ものすごくBL好きの腐女子だ。
「って!何ていう物を見ているんだ!」
颯人に、AV男優のナニとか見せたということか。
「見ないって言ったんだけど、拉致されて。刺激が強いから、まずは修正されてるのを数人と一緒に…」
(無修正じゃなくて良かった!じゃなくて!!)
「はあ?!数人って!」
「えっと、カップルが2組と裕汰と俺とかりん先生」
「なんだよ、その選択は!危なすぎるだろ!!愁は!?奈都は!?」
「愁はいないよ、書道部が忙しいから。奈都も喧嘩の仲裁をしに行っちゃったし」
「止める奴が、いないなんて…」
どっちかいろよ!と思ってしまった。
危ないのはもちろん、かりんではない。
颯人が、一番危ない。
「かりん先生を襲わない人を選んでいるから、大丈夫だって」
「いや!かりんじゃなくて、颯人が!」
「あ、うん」
なんか歯切れが悪い。
「颯人?ま、まさか…」
不安で颯人に聞いた。
「…うん、まぁ、その」
「…裕汰に、何かされたのか?」
「俺は見ても興奮しなかったんだけど…その、周りが盛り上がっちゃって」
その後を、聞くのが怖い。
「カップルが、触りあっこを始めちゃって。かりん先生が嬉しそうに、それを見ていて…」
(後で、かりんを叱っておこう!乱交パーティーかよ!!)
「…で?」
「裕汰が、俺の手を握ってきて…」
「手を!?」
「キスをされそうになって…」
「はあ?!」
「玉蹴りして逃げた」
「…はぁ…」
茉莉は、大きなため息をついた。
(良かった~っ!!!)
颯人が、裕汰に襲われたのかと思った。
襲われていても聞いた限り、他の人達は自分達が忙しくて助けてくれる人は居ない。
だから、本当に何もなくて良かった。
(あいつ!)
やけに馴れ馴れしく、颯人にちょっかいをかけていると思ってはいたが…。
「それから、ちょくちょく『筆下ろしをさせてくれ』ってねだられてて」
「ちょっと待て!まさか、してやらないよな!!」
「しないよ、友達だし」
ホッとした。
「でも、しつこくて…」
(確かに、報道部だから、押しと粘りがあり過ぎて参るよな…)
「颯人。裕汰に困ってるなら、俺が何とかしてやる」
「…」
颯人は身体の向きを茉莉の方に変えて、茉莉を正面から抱きついた。
「うん」
颯人は嬉しそうだった。
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