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想いが届く 5
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幸せだったのに、少し経ってから不幸のどん底にいた。
「あ゛~っ!」
「…何、変な声を出して」
浅い眠りから覚めた颯人が、茉莉を見た。
「…颯人、もし"学校を辞めろ"と言われても、お前だけは在学出来るようにしてもらう!」
忘れてたが、今の茉莉と颯人は『先生』と『生徒』だ。
「処罰は…俺だけにしてもらうように、きちんと言うから!!」
「…俺だけこの学校に残ったら、裕汰の筆下ろしさせられるかも」
「それは無し!駄目だ!」
「じゃあ、置いていかないでよ。処罰なら一緒に受けるから」
「…男前だな」
颯人は見ないうちに、強くなった気がする。
「食堂には腹括って、行くしかないでしょ?」
自分の恋人は男前すぎて、再度惚れ直してしまった。
食堂に着くと、生徒達がごった返していた。
「今日、何で赤飯?」
生徒が不思議そうに、松子に聞いた。
「茉莉くんが、姫を迎えたのよ!」
「え?茉莉ちゃん?」
『何で?』と生徒達が口々に言う。
「元生徒会長だからね」
「伝説だったのよ~!生徒会長で姫無しなんて、茉莉くんぐらいだもの」
「そうそう、理由を聞いたら『姫に決めている人はこの学校にいません!』って」
「え~っ!茉莉ちゃん、ピュアボーイだったの!?」
「茉莉…この調子だと、『歩くフェロモン』から『ピュアボーイ』に通り名、変更しそうだね」
ふふっと、颯人は笑った。
「どっちも、恥ずかしいわっ」
「「「茉莉ちゃん!」」」
生徒達が茉莉に気づく。
「姫って?誰だよ!」
「誰?誰?」
好奇心旺盛な男子校生に囲まれる。
「如月颯人。俺の恋人だから、手を出すなよ!」
颯人の手を握って、胸の上まで持ち上げた。
生徒達が一斉に、颯人の方を見る。
「ええぇっ!知り合いだったの?」
「茉莉ちゃん、おめでとう!」
「茉莉ちゃ~ん!!」
みんなから、お祝いの言葉が飛んできた。
「キス!キス!」
「ベロチューは?」
「ノリで、何でも言えばいいと思ってないか?颯人は生徒だから…」
『これ以上騒ぐな』と言おうとしたら、松子に言われた。
「茉莉くん、生徒でも大丈夫♪理事長も校長先生も、先生と生徒の交際OKだって」
『連絡しちゃった♪』とスマホをかざす竹子。
「…本当に?」
「茉莉も俺も、辞めなくて済むんだね」
ウオォォォッと、地響きがおきる。
「じゃあ、かりんちゃんとお付きあいもOKって事?」
「いや~!お前じゃ、無理でしょ!?」
「わかんないよ!かりんちゃんに告ってくるわ!!」
数人がかりんのいる、保健室へと走っていった。
(腐女子を落とすのは、簡単じゃないぞ~)
まして、かりんの事だ。
(『私の目の前で、男同士でセックス出来るなら良いわよ』とか言いそう…)
過去に『出来る』と言って、かりんの目の前で生徒同士がセックスをして、最終的にそのままカップルになってしまったというのを聞いた事がある。
レクチャーされて、何度も身体を合わせると生徒同士、情が移ってしまうらしい。
(恐るべし…かりん)
趣味も兼ねている保健医は、最強だ。
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