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想いが届く 6
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残った生徒で、茉莉と颯人を囲った。
「で!キスは?!」
「…お子様には、刺激が強いぞ」
「茉莉ちゃん、キスしたくないのかよ!」
生徒の1人が煽ってくる。
「いや、俺はもちろんしたいに決まってるだろ!けど…」
いつだってキスをしたい、でも颯人の顔色を伺う。
「俺もいいよ」
颯人から、OKが出るとは思わなかった。
「っ!!いいの?!」
驚いて、颯人の肩に手を置いた。
「今は茉莉が俺のだって、見せとかないと。茉莉はモテるから」
「颯人!」
茉莉は、颯人を自分の方に向かせた。
颯人が目を瞑り、上を向く。
茉莉は身体を少し屈めて、颯人にキスをする。
ちゅっ
『おぉぉぉっ!』と、周りが興奮する中…
「ベロチューっ!ベロチュー!」
「茉莉ちゃん、ベロチューお願いします!」
「…颯人」
颯人の腰に手を回し、再度身体を少し屈めてキスをした。
「んっ」
颯人と恋人になったのを、見せびらかしたいので舌を颯人の中に入れた。
颯人も受け入れてくれて、濃厚なディープキスを生徒の前で見せつけた。
昨日の海で出会ったカップルと、同じ反応が返ってくる。
「何か…エロいっていうか、すごい…」
「うん、ハリウッド映画見てる感じ」
「AVとは全然質が違う!」
「わかる!上品っていうの?」
唇を離した。
「お前達、もういいだろ!」
「もう一度だけ!」
「俺も!もう一回みたい!」
「見世物じゃないぞ!」
そんな中、人混みを掻き分けて裕汰が茉莉と颯人の所まで来た。
「な、な…」
ワナワナ震えている裕汰に、追い討ちをかけるように颯人が言った。
「お陰様で、両思いになりました」
裕汰が、ガクッと項垂れた。
「だから昨日は特に、茉莉ちゃんを颯人の所に行かせないようにしようとしていたのに!」
「???」
茉莉は裕汰が何を言っているのかがわからず、颯人の顔を見た。
「あ、裕汰には前から俺の好きな人は茉莉だって、言っていたから」
「え?…そうなのか?」
「そうだよ!告白して1秒で、『茉莉が好きだから無理、ゴメン』って断られたんだよ!!」
「手を握られた後に、言われた」
颯人は言いながら、茉莉の胸に頬擦りしている。
「デキレースだったってことか。今、思うと」
茉莉は、そんな颯人が可愛くておでこにキスを落とす。
それを見て、裕汰が吠えた。
「イチャつくなよ!茉莉ちゃんが自覚無いから、このまま俺の事を好きになって、筆下ろししてもらいたかったのに!!」
「はあっ!!却下!颯人は俺のだからな!金輪際、おさわりも禁止だぞ!!」
しっしっと、裕汰に手で払う仕草をした。
「…茉莉」
颯人が、茉莉の首に腕を回した。
ちゅっ、とキスをしてきて再度、舌を絡ませてきた。
「んっ」
「…颯人」
裕汰の前で、濃厚なキスを見せつけたのだった。
「あ゛~~~~~っ!!」
裕汰が大声を出し全身を震えさせながら、茉莉と颯人を指を指している。
歓喜の声と絶叫が合わさった音が、食堂に響き渡る。
「俺が報道部に入っているからって、それは無いだろ!」
学校内の事は、記事にするのが報道部の部活内容の一部だ。
「号外の取材は受け付けるぞ~!」
「俺、裕汰なら取材受けたい」
「どこまで追い討ちをかけたら、すむんだよ~!」
「ごめん、でも裕汰は友人の1人だから」
「近くにいても、『友人』なら仕方ない。『友人』らしく、これからも颯人の『友人』の1人として、『友人』の付き合いを…」
「あ゛~~~~っ!わかったって、茉莉ちゃん!!」
裕汰が、髪の毛を乱暴に掻き乱しながら言った。
周りの生徒達が、声をかける。
「茉莉ちゃん、独占欲強すぎ!!」
「『友人』言い過ぎだし」
「新しい恋を、探そうぜっ!」
生徒達が、大笑いしている。
こうして茉莉と颯人は、周囲にも認められる学校公認の恋人となったのだった。
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