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後日談 11
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ちゅん、ちゅん、と雀の鳴き声に颯人は目を覚ました。
「…」
颯人は、茉莉の腕の中にいた。
「…初めて、セックスで気絶した」
"レッスン卒業"の時は、休憩を設けていても気絶しそうだった。
何とか持ちこたえていたが、昨日のは凄すぎた。
どれも激しく攻め続けてきて、太刀打ちできなかった。
(茉莉を満足させる事って、出来るのだろうか…)
体力が無い分、フェラと自分からの腰使いでメロメロにするつもりが、いつも颯人の方がメロメロになってしまう。
(茉莉の弱点がわかっているって言うことは、俺の弱点も茉莉がわかっているわけだし…)
どう考えても、勝負にもならない。
今日は本当に稀だが、颯人の方が早く起きた。
"起きた"というか…腰とお尻の穴が痛すぎて、"起こされた"の方が正しい。
顔を動かして、茉莉を見た。
颯人とは違い、髪の毛は茶色く柔らかい。
顔は、誰が見ても美形なイケメン。
胸が熱くなる。
昔、茉莉一家が越してきた時に母親が言っていた。
「はーくん。一番上の茉莉くんは王子様みたいだったね!」
母は自分の事を、愛称で『はーくん』と呼ぶ。
世間知らずのお嬢様だから、乙女傾向がある。
「お姫様になる人は、きっと幸せになるわね~」
「お姫様って…どういう人?」
颯人は、考えてもピンとこなかったので母に聞いた。
「いつもニコニコしていて、みんなを笑顔にしてくれる人かしらね!趣味は、編み物とか刺繍とか手芸をしてるのよ!」
母は、興奮しながら言った。
「そうだ!はーくんも、編み物してるからお姫様になれるわね!」
本気なのか、わからない母の言葉に…
「俺、男だけど?」
と、言ったが母は聞いてなく『お姫様になる方法』を語っていた。
その時は、茉莉に特別な感情がなく興味が無かったので、『ふーん』としか思っていなかった。
茉莉と過ごす時間が多くなるにつれて、茉莉に興味を持った。
学校帰りに見かけると、いつも違う女の人と歩いていた。
それを見たら、胸がチクッと痛くなった。
「…?」
小学生の自分には、この痛みが何なのかがわからない。
ただ茉莉が毎日違う女の人と帰っていても、自分を見つけてくれると女の人と別れて、自分の方に来て一緒に帰ってくれた。
その時は、本当に嬉しくて仕方なかった。
放課後の過ごし方はお互いがあざみとは違いインドア派なので、一緒にいるときが多かった。
(そういえば、いつ、どのタイミングで俺は胸の痛みが『好き』ってわかるようになったんだっけ…)
あれは、確か…。
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