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後日談 12
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茉莉一家と、颯人だけでキャンプに行った事がある。
渓流釣りをした後に、独特のかくれんぼをして遊んでいた。
鬼に見つかった人は、鬼と手を繋いで他の人を探すという『手繋ぎ鬼』と『かくれんぼ』が混ざった特別ルール。
茉莉、百合、あざみと颯人のメンバーなので、どう見てもインドア派の颯人には不利な遊びだった。
だが、必ず颯人が鬼の時には茉莉が初めに見つかる。
初めのうちはわからなかったが、茉莉はいつも颯人が鬼の時だけ見つけやすいように近くに隠れていた。
百合とあざみが鬼になった時は、見つからなさそうな所に颯人を隠れさせた。
そんな茉莉を先に見つけるから、不信に思い聞いてみた。
「茉莉は、俺が鬼の時だけ隠れるの下手だね」
すると、茉莉は…
「颯人に一番に見つけて欲しいから、かな。手を繋ぎたいし」
「…?手を繋ぎたいなら、いつだって誰とだって出来るよ?」
そう言うと、茉莉は優しく微笑んだ。
「颯人じゃないと意味がないよ。颯人と手を繋ぎたいの」
その言葉に、ドキンッと胸の鼓動の音が大きくなった。
(…あ、そうだった。あの時から茉莉は『手を繋ぎたい』って言っていて…そして、俺は茉莉に恋したんだ)
小さいながらも、独占欲があったらしい。
(そっか…あの時の前から、茉莉は俺の事が好きだったんだ)
そう思ったら、茉莉がどれだけの時間、自分を想ってくれていたんだろうと思ったら、一段といとおしくなった。
(…好き)
すりっと、頬を胸に擦りつけると茉莉が起きた。
「…ん、颯人?…早いなぁ、起きるの」
頭を撫でられる。
「どっかのスケベさんが激しいセックスするから、突っ込まれた穴が痛くて目が覚めた」
「…悪い、痛くして!病院に行くか?!」
「…そこまで、痛くないって」
「でもっ!」
「茉莉、平気だから落ち着いてよ」
茉莉を宥める。
颯人は右手で茉莉の左手を握った。
「ん?」
「ふふっ」
嬉しくて、笑ってしまう。
「何か、ご機嫌だなー」
『良い夢でも見たのか?』と茉莉に聞かれたが、首を横に振った。
「ううん、茉莉がイケメンでカッコイイのに…って」
「"のに"は、いらないだろ…」
颯人のこめかみにキスをしながら、茉莉は文句を言った。
颯人はふてくされている茉莉に、キスでご機嫌を治した。
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