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後日談 17
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茉莉本人に見せるのは恥ずかしいが、この先ずっと一緒にいる大事な人だ。
「ん…」
わかるように耳にかかっている髪の毛を少しずらして、イヤーカフを着けた耳を見せた。
茉莉の顔が近づいて来た。
じっくり見ているのか、動かない。
「…茉莉?」
(鏡で見たけど、もしかして似合わなかったかな…)
颯人は、恐る恐る茉莉の方を見た。
茉莉の目が、見開いていた。
そして茉莉にしては珍しく、顔がどんどん赤くなってくる。
ガバッと、颯人を抱きしめた。
「え、茉莉!?」
颯人は困惑したが、茉莉は興奮した熱っぽい顔で颯人を見ていた。
その顔に颯人の胸が、ドキッと高鳴った。
「あ…そうだ!」
茉莉は、帰って来たマネージャーらしき男の店員に聞いた。
「ガーネットの赤系の色のピアス、あります?」
「はい、ございます」
わざわざ持って来てくれた。
ガーネットはブルー以外のすべての色の赤、オレンジ、黄色、緑があったが、茉莉はあえて色を『赤』限定に言った。
「ガーネットは、無処理のままでも透明度が高い美しい石ですよ」
店員が違いを、教えてくれる。
「当店での赤系のガーネットは、少しオレンジかかっている色のスペッサータイトガーネットと、紫に近い色のロードライトガーネットだけを取り扱っております」
「颯人に似合うのは赤系だと思って、婚約指輪のガーネットもそうしたんだ。…こっちを向いて」
颯人は茉莉に顔を向けた。
茉莉は持って来てもらったピアスを、颯人の耳に持っていく。
「婚約指輪は、どっちにしたの?」
颯人は聞いた。
「オレンジかかっている方。うん、やっぱりこれかな」
茉莉が手にしていたのは、赤い色だが少しオレンジかかっている色のスペッサータイトガーネットだった。
デザイン的にはシンプルすぎる感じだが、さっきのイヤーカフが映える。
「すみません、これもください」
「畏まりました」
さっきと同様に、電卓で金額を表示する。
「カード、一括で」
「はい」
店員が、レジで会計をする。
「…茉莉」
「言おうとしているのがわかるけど、駄目だ。俺が颯人にプレゼントしたいの」
「…」
やっぱり俺が買うからは駄目か、と言おうとしたのは見破られてしまった。
「本当はそのイヤーカフも買ってあげたいけど、俺を想って買ったんでしょ?」
「っ…ん…」
(その通りだよ…)
「願掛けも叶ったから、今度は俺のモノで印を付けないとね」
茉莉の独占欲は強い。
改めて思った。
(…嬉しい)
想いが通じてから、何回目の嬉しいだろうか。
『茉莉のモノになる』事が、当たり前に感じるようになるんだと思っただけでも、また嬉しくなった。
茉莉の唇が、颯人の耳元に近づいた。
「颯人、嬉しいよ!世界で一番、愛してる!今すぐにでも俺のモノだって、早く証明したい!!」
それは、茉莉も同じだった様だ。
「~っ!」
耳元で甘く囁かれて、今度のは強すぎる台詞に颯人の腰が砕けそうになった。
(もう、駄目だ…。帰ったら、ずっと茉莉と繋がっていたい)
昨日のような濃厚なのも良いが、じっくりと攻められたい。
身体中に茉莉のモノだって、跡を残されたい。
お店の中なのに、発情してしまった身体を無意識に茉莉に預けた。
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