アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
後日談 19
-
そして、『急なお赤飯を作ってくれたから』と休憩中の松子に会って、美甘堂のどら焼きを梅子と竹子にも『お礼だから渡して欲しい』と預けた。
「あらっ、気にしなくて良いのに律儀ねぇ。茉莉くんじゃーくれないわね」
ここでも『颯人は可愛いのだ』と、茉莉が鼻を伸ばしながら恋人自慢を話した。
「茉莉!恥ずかしいって」
なんだか自分は誉められるような人間では無いので、いたたまれなくなる。
「いや~、何より床…ゴフッ!」
『床上手』とまた言おうとした茉莉の横腹に、さっきと同じく思いっきり肘鉄砲を撃ち込む。
「茉莉!学習してよ!」
「…だって、本当の事だし」
横腹を押さえながら、茉莉は必死に言う。
「もう、尻にひかれているんだねぇ」
松子の言葉に茉莉が『はい!』と、嬉しそうに笑った。
「『はい』って言うなよ…」
恥ずかしいけど、みんなに公認されたことが嬉しかった。
そして、部屋に戻る。
「颯人、また見せて」
茉莉は、颯人の腰を引き寄せた。
「…ん」
颯人は茉莉の首に両腕を絡ませて、抱きつく。
そっと優しく、ベッドに寝かせられた。
颯人は首を捻り、右耳を上に向ける。
茉莉の左手が、耳が良く見えるように髪の毛を退けて優しく耳を、うなじを撫でた。
その刺激に、颯人の身体はピクッと震える。
茉莉は満足そうに、今日買ってきたピアスとイヤーカフを触って見ていた。
「俺の愛しい人」
チュッ、と耳をキスされた。
「…っ!」
声が出そうになり、目を閉じてきつく唇を噛んだ。
颯人の身体は、茉莉が触れるたびに悦んで震える。
茉莉の唇が、うなじにキスをした。
「あっ!」
ビクッと腰がしなる。
目を閉じると茉莉が何をするかわからないので、余計に反応が大きくなってしまう。
颯人は、ゆっくりと目を開けた。
「…」
茉莉の顔が近くにあった。
颯人の大好きなその整った顔は、颯人を見て微笑んでいる。
「颯人、愛してるよ」
颯人は、満足していた。
(茉莉が俺を想ってくれている。愛してくれている)
はっきり言ってレッスンの時は、少しだけ虚しさもあった。
自分から、何度も告白しようと思った。
でも、軽くあしらわれて関係を辞めると言われたらどうしよう…と、葛藤が続いた。
(本当に、良かった…!)
たくさんの人を巻き込んで、協力してもらった。
いくら感謝しても、したりない。
「ねぇ、茉莉」
「ん?」
「一生涯、俺は茉莉のモノだって、ちゃんと毎日教えてね?」
「…あぁ、毎日教えてあげる。颯人は俺だけの最愛の人だって」
この先の全ての時間、ずっとずっと毎日教えようと茉莉は誓った。
どれだけ、颯人を世界で一番に愛しているかを…。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
91 / 164