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☆クリスマス☆ 3
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今日のデートプランは、前の時の『レッスン卒業』の時の仕切り直しだった。
途中まで苦い片思いの思いでしかないから、一からやり直したいと颯人に言ったら了承してくれた。
「大きなつばの帽子を百合ちゃんから借りて、逢い引きしたよね」
「いや…本当に、あの時は裕汰が邪魔で仕方なかった」
「百合ちゃんの指令で、動いてたからね。」
「知らず知らずのうちに、百合に動かされていたなんて…。俺は妹に、遊ばれてたんだよな」
「ふふっ、かりんちゃんにも知られちゃうしね。愁にも知代田さんも巻きこんだし、みんな大変だったね」
「俺が不甲斐ないから…です」
こうして、茉莉の愛車で目的地に向かうまで、色々と話した。
前に訪れた手芸店に行った。
颯人の背中を触り、店に入る。
当たり前だが、相変わらず女性客が多い。
案の定浮いているが、あれから何回か来ていたから茉莉も慣れてきていた。
「あっ、コレ使い勝手がいいんだよね!もう一個買おうかな」
「消耗品だから、買えばいいよ」
かご持ち兼、お財布の茉莉が言う。
「茉莉に、いつも買ってもらってる気がするんだけど?」
「いいんだよ」
そう言った後に、茉莉の顔が近づいてきて颯人の耳元で囁いた。
「颯人には、後でいっぱい頑張ってもらうから」
「…スケベ」
颯人は照れながら言う。
何回か一緒に手芸店で買い物をしていたから、颯人が欲しがっている品が、なんとなくわかるようになった。
「…颯人、これもう無いんじゃなかったっけ?」
消耗品の糸を、颯人の目の前に出す。
「あ、そう!忘れるところだった」
糸にも、色々と種類があることを知らなかった。
ミシン用、手縫い用、ボタン付け用、デニム用、シルク混、ポリエステルetc.…。
なんとも幅広くて茉莉にはわからないが、颯人は使いこなしていた。
しかも種類が多いのは、糸だけではない。
布も毛糸もピンからキリまであるから、なかなかすごい。
選んでいる颯人がとても可愛いくて、茉莉はその姿を見るのが大好きだった。
周りで、キャッキャッと自分達を見て騒いでいる人達がいた。
「…男は、目立つよな~」
茉莉は、"男"だから目立っていると思っていた。
「違うでしょ?あ~ぁ、これだから…」
「えっ?えっ?」
茉莉はわからず、困惑した。
(…こういうところ、無自覚だよね。まぁ、自覚してて威張らないからこそ、大好きなんだけどね)
茉莉の顔が美形だから、なおさら目立つ。
颯人は、ヤキモチを焼きそうになる自分に苦笑した。
自覚の無い本人に、何を言っても無駄なのはわかっている。
颯人は早く買い物を終わらせようと、心の中で思った。
テキパキと欲しい品を茉莉の持っていた買い物カゴに、商品を入れた。
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