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~薙十side~"面白ければそれで良し”
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強制入部させられたその日の練習が終わり、俺は帰路についていた。
そして両隣には、家が同じ方向らしい青峰くんと虹村先輩が立ち、話に花を咲かせていた。
……何故一緒に帰っているのやら。
「それにしても柊、お前まじでバケモンだな」
青峰くんが唐突にそう口にした。
「バケモンって酷いなー。どうして君にそんなこと言われなきゃいけないの」
「176往復走った人が何言ってるんですか」
「ッ!?」
急に後ろから声が聞こえ肩が跳ねた。
……びっくりした…。
「黒子くん…いつから?」
「最初からいました」
うっそぉ………。
む、っとした表情でそう答えた。
もちろん無表情に近いのだが。
「…話を戻します。柊くんは体力ありすぎると思います。ちょっとイラッとしました」
「はっきり言うね君。俺の体力は、人より少し抜きん出てる程度だよ?」
「「「どこがだよ/ですか」」」
……3人共ハモらなくても。
「黄瀬だってそこそこ体力あるが、その2倍近く走ったんだぞ、お前」
虹村先輩が、呆れたように言った。
「でもあれの半分で息切れるって、早すぎると思うんだよね。バスケ部大丈夫?」
「「お前が大丈夫か」」
「柊くんは僕にケンカ売ってるんですか?」
ちょっと酷いと思う。
「もーやめようよこの話は。堂々巡りだし。……ん?」
面倒になり会話を切って視線戻したとき、見覚えのある人物が視界に入った。
「どうした柊?」
3人が俺の視線の先を辿る。
「あ……。あれは藤咲か?」
見覚えのある人物とは奏くんだった。
誰かと待ち合わせだろうか?スマホをいじっている。
と、そこに髪の長い女性が優雅に歩み寄った。
何、あそこの空間。場違いにもほどがある。
気になり、こっそり聞き耳を立ててみると、彼らの会話が聞こえた。
「ごめん、待った?」
ふわりと風に遊ばれる髪を耳にかけながら、お相手の女性が微笑む。
「大丈夫だよ、ほら行こうか」
え、やばいこっちに来る。
とっさに4人で隠れてしまった。
歩き出す奏の腕に女性は腕をからませた。
腰までのびた真っ直ぐな髪が揺れる。
「ちょ……!?」
「あら、いいじゃない。私と奏の仲でしょう?」
「そ、そうかもしれないけど…」
色々と話していたが、結局奏くんが折れ、おとなしく腕を組まれたまま歩き出した。
「…藤咲、年上派か」
そう真顔で言い放った虹村先輩には鼻血がつたっていた。
……おいおい。
「…藤咲の彼女…おっぱいでけぇ…」
青峰くんにも鼻血がつたっていた。
この2人精神年齢が一緒。
アホみたいな会話をしていると……え?
「……あれ、高級フレンチの…」
どうにか声を絞りだす。
すると3人が勢い良く俺を見た。
そしてギギギギ…っと奏くんの方に顔を向ける。
「……マジか」
「え、はい。雑誌にも載ってますよ」
「いくら年上がお相手とはいえ、高校生のデートでフレンチかよ…」
当たり前のように、レディーファーストでエスコートする奏くん。
…だから、あきらかに世界が違うんだって。
「リア充乙です。藤咲くんにはイグナイトかます事にしました」
「奏くんドンマイ」
まぁ、おもしろいからいっか!
そこまでしてやる義理ないし。
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