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~薙十side~“よく分かんないや”
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部屋にカメラの音が響いている。
少ししてそれは消え、代わりに誰かの声が響いた。
「休憩入ります!」
その一言で場の緊張感が緩んだ。
先程まで俺が撮影していたモデル達は、
溜め息を吐き思い思いに過ごしていた。
「薙十、調子はどうだ?」
そう声をかけてきたのは俺の父親。
俺はカメラの画面から顔を上げた。
「いつも通り。はい、こんな感じでいいよね。」
カメラを父さんに渡して写真の確認をしてもらう。
写真を見た父さんは微笑んだ。
「流石だな。良いんじゃないか?」
「そう?良かった。」
「薙十っち~!!」
ふと、モデルの一人が俺を呼んだ。
誰かなんて考えなくてもわかる。
「何?黄瀬くん。」
黄瀬涼太、最近人気のモデルだ。妙になついている。
「俺、どうだったっスか?」
「いつも通りだったよ。」
「…それだけっスか?」
「?それだけ。」
首を傾げて言うと黄瀬君は項垂れた。
………どうしてだろう?
「かっこ良かったとか言えば良いの?」
人間ってよく分かんないや。
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