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~奏side~“何でこんなことに………(part2)”
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※前回の続きです。
「奏押すぞ。息をゆっくり吐きながら(ビタン)
え?………ここまで柔らかいと気持ち悪いな。」
俺は背中を押され“ビタン”と倒れる羽目になった。
普段ストレッチをする時は基本一人だ。
ゆっくり体を芯から伸ばすようにほぐすので、
自分の柔軟性と、赤司君の力で、
床に効果音を纏って打ち付けられた。
痛いじゃないか!?もっと優しく押して(泣)
痛みに耐えていると青峰君がそばまでやって来た。
「お前凄いな!!体操か何かやってたのか?」
興味深々で目を輝かせながら聞いてきた。
(まて、しゃがんで話せ。
柔軟で下に張り付いている状態で、
170cmぐらいの人を見るのは恐すぎるツ!! )
視界の端で薙十君たちがギャアギャア
騒いでるのが見えたのでそちらに目を向けた。
そして薙十君もこちらを見て何か言っている。
何を言っているのか観察していると……。
明らかに俺にも聞き取れる大きさになってきた。
「黄瀬君、ちょっとどいて。邪魔。」
えっと……?黄瀬君に言ってるはずなのに、
何で俺は凝視されてるのかな?
まぁ、納得いかない黄瀬君は案の定騒ぎ出す。
「カメラ。」
え?カメラ?バスケ関係の専門用語か?
俺の知らない“カメラ”があるらしい。
写真を撮る事はないだろうし…。
撮影用の“カメラ”ではないだろう。
「あぁ……けど、今は柔軟するっス。」
「はぁ?」
俺職業柄気付いちゃったぞ。
薙十君が発した第一声「カメラ」から、
2.5オクターブ下がったぞ。
「薙十っち怖い!!」
うん。考えてあげようか、この子の趣味と職業。
ついでに俺も帰りたい……。
「邪魔してんじゃねぇよ。(うんうん。)
プリン食ったくせにッッ!!(うんう……ん!?)」
「まだ根に持ってた?」
ついに黄瀬君の腕から抜け出た薙十君は、
「写真、写真~っと。」っと言って俺の前で構えた。
そう俺の前で………ん?…俺の前!?
「おー軟体動物みたい。」
「ふ、ふざけるな?」
冗談じゃない。人を見せ物みたいに、
パシャパシャ撮りやがって。
見せ物だけど………………。
「柊。校庭走りたいか?」
「いえ…………します……………。」
やっと柔軟が終わったが、青峰がした質問を、
完全にスルーしていたことは、
その時の俺は知る由もなかった。
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