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~薙十side~“腕前を見せてくれるか?(part2)”
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※前の続きです。
は?と青峰君がゴールを振り返る。
丁度、ボールがリングをくぐった。
「なっ!?」
「いぇーい。」
我ながら棒読みだ。撮影中もそうだけど、
集中すると無表情というか、
ローテンションになるんだよね。
「嘘だろ…………!?」
「青峰が止められないとは……。」
「薙十っち、今のシュートどうやったの!?
青峰っちの指に当たってたよね!?」
「そうだ!なんで当たったのに入ってんだよ!?」
…………がっつき過ぎだろおまえら。
「今のは昔よくやってたシュート。
相手に合わせて加減とか角度を変えて
わざと外れるシュートをして相手に
入れさせる、ってやつ。」
「マジかよ……。」
「つまり相手の指先に触れさせてシュートを決めた、
ってことか。それで青峰に……。」
まさか俺も青峰君に勝てるとは思わなかったけどね。
彼が動きが読みやすい人で良かった。
「お前すげーんだな!!」
「わっ、と。」
不意に青峰君が肩を組んできた。
触らないで欲しいんだけど………。
「あ、青峰っちは払わないんスか!?
どういうことっスか~!!」
「うわっ!?」
今度は黄瀬君が後ろから抱き付いてきた。
その勢いで3人共倒れ、おまけに眼鏡が取れた。
「ご、ごめん薙十っち、青峰っち!」
黄瀬君が上から退き、体を起こそうとした。
「ッ !!?」
肩に乗っている手を思わず払う。
回りを見ると全員が俺を見ていた。
昔の記憶と、重なる。
『死ね!!』
『あんたなんて産まなければ!!』
息が上がる。
感情がゴチャゴチャになる。
嫌だ。どうして。やめて。痛い。
怖い。恐い。こわい。コワイ。
「嫌……………」
「柊!!落ち着け、大丈夫か!?」
その声でハッとした
目の前には虹村先輩がいる。………あれ?
「にじむら………せんぱ……?」
「落ち着いたか?ったくびっくりした……。
何か色とりどりなメンバーが、
固まってると思ったら………。大丈夫か?」
「あ………はい…。」
赤司君から眼鏡を受けとりかける。
もう、大丈夫だ…………。
「すいません。皆もごめんね?もう大丈夫だから。」
笑顔で全員に言う。うん、ちゃんと笑えてる。
「本当に大丈夫っスか?」
「今日は休んだ方がいいんじゃねぇ?」
「そうだな。柊、今日はもう見学だけに
しておくか。家に帰って休め。」
「だから大丈夫だって。何ともないから。」
みんな心配しすぎだろう。
無理しているわけでもないし。
「……いや、帰れ。送って行ってやるよ。
丁度俺も帰んなきゃいけないからな。」
「………は?いや、大丈夫ですって。」
「いいから着替えて来い。校門で待ってるからな。」
「ちょ、待っ…………。」
虹村先輩はさっさと行ってしまった。えぇぇ…。
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