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~薙十side~“お前は俺のなんなの?”
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※腕前を見せてくれないか?の続きです。
「お待たせしました。」
「おう。」
校門の前にはやっぱり虹村先輩がいた。
居て欲しくなかった。
「お前家どこだ?」
「…………向こうの方です。」
指で方向を指すと虹村先輩は「うちもだ。」
と言った。マジか。
「……………。」
「……………。」
とりあえずお互い無言のまま歩き出すご沈黙が辛い。
先輩はなんで俺と帰るなんて言い出したんだろう。
俺と帰ったってメリットはない。
ぼーっと考えていると虹村先輩に話しかけられた。
「お前、今日の何だったんだ?」
いきなりそれか。
「………答えたくないんですけど。」
「……まぁそうだよな。
いつか言いたくなったら言ってくれ。
聞いてやるから。」
その言葉に少しイラッとした。何それ。
上から目線?俺に同情してんの?
「けど、あんま溜め込むなよ。」
同情なんてしないでくれる?俺が惨めになる。
だから同情なんていらない。
「柊?聞いてるか?」
煩いな。大体俺の意見を無視して、
バスケ部に入れようとしてるのがおかしいだろ。
俺はただ、写真が撮れれば良かったのに。
「おい、柊?」
「うるさい虹村。」
「!?」
思わず口から出た言葉。
“学年は”俺が下なのに敬語なんて、
使えそうもなかった。否、違うな。
使う気も失せるぐらい俺はイラついていた。
「さっきから黙って聞いてたけど、
聞いてやるって何?
同情してるつもり?
そんなのいらない。
ていうかお前は俺のなんなの?
一緒に帰ろうとしたり、
俺は迷惑してるんだけど。」
淡々と言うと、虹村は呆気にとられていた。
まぁそれもそうか。
後輩がいきなりタメ口で話始めたんだから。
「お前……………?」
「何。」
「いや、敬語じゃなくなったから………。
そんなに怒ってたのか?」
「別に。イラついてただけ。
もうお前に敬語使う気無くなったから、
二人の時はこれでいいな。」
「いやいや、お前2年だろ。」
「学年は、ね。歳は君と同じ。」
「…………………マジ?」
「まじ。はぁ…あぁ、この事は誰にも言うなよ。
あと家に送るのもしなくていい。迷惑だから。」
「えっ、おい!」
後ろで虹村の声がするが無視して歩く。
あぁくそ、めんどくさい。
苛立ちを隠さず舌打ちをした。
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