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~月神side~“どっから出してんの?そんな声。”
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※“我らが天敵柊さん”の続きです。
――― 1時間後 ――――
「はいOKです!!櫁稀さん、瑞稀さんとチェンジお願いします。」
「はーい。分かりました。」
「櫁稀さん楽屋戻られまーす。」
「お疲れ様でしたー!失礼します。」
ドアの前で直角にお辞儀をし、スタジオを後にする。
楽屋まで歩いていると黄瀬君がソファーでコーヒーを飲んでいるのが見えた。
ほんと、ムカつくぐらい絵になってるよね。
(俺は何も見てない。知らない。知らない。)
俺とて忙しいんだよ……多分。
急いで着替えなきゃいけないんだよ……多分。
「あっ!!月神さん。お疲れ様っス~。もう撮影終わったんスか?」
「……。(ふぅー)ありがとうございます!!
いえ、まだ終わってないですよ!
今から瑞稀にチェンジするんです!!」
「そうなんスか~。大変っスね~。
撮影見たかったんスけど、追い出された……。」
理由は明白だ。俺でも分かる。
(煩いし、しつこいからだろ。どう考えても。)
「黄瀬さんって、柊さんと仲悪いんですか?
喧嘩ばっかりしてらっしゃいますけど」
「仲良いっスよ!!学校もクラスも一緒っス!!
喧嘩はコミュニケーションっスよ!!」
(はっ?キモ。Mかよ。柊君聞きました?
……だそうですよ~?)
「それよりなんで敬語なんっスか~?
俺より2コ年上っスよね?」
「(同い年だよ)んー。癖、……ですかね?
………敬語じゃない方が良いですか?」
「年も近いし、交流も兼ねて、
タメで話してくださいっス!!」
あー、……なんかシャララ☆って聞こえたような。
「フフッ……分かった。黄瀬君、でいいかな?」
「はいっス!!」
「じゃあ、着替えあるから行くね!!」
「頑張ってくださいっス!!」
まぁ、言われなくても中途半端は嫌いだからね。
そんなイライラする声をバックにイライラ
しながら楽屋に戻ることになってしまった。
――― 30分後 ――――
「瑞稀さん入られまーす。」
「よろしくお願いします。」
「じゃあ準備出来次第撮影を再開しまーす!!」
俺は丁度良いタイミングで通りかかってくれたスタッフに声を掛けた。
「すいません。柊さん、どこにいらっしゃるか分かりますか?」
「写真の確認を別室で行われています。このスタジオの右隣の会議室Bです。」
「ありがとうございます。」
ユキに一声かけスタジオを後にする。
コンコン。「柊さん、瑞稀です。」
「入ってー。」
「失礼します。」
ドアを開けると機械の前に座っている柊さんがいた。
短時間で写真を確認して仕上げなければならない。
カメラマンの仕事は時間との戦いなのかもしれない。
「じゃあ、歌詞カードに載せる写真は
さっき撮った内のこれと、これと、これね?」
「あぁ。今回のメインである新曲のページは、
櫁稀の逸らし目の写真指定で。」
「あぁ、あの写真は上出来だったね。」
「じゃあ、要のジャケット写真だけど、
一人掛け用のソファーに瑞稀が座って、
後ろから櫁稀が抱き着いて、
瑞稀に銃を向けるって言う案でいい?」
「あぁ。他の案も捨てがたいけどな。」
「前から思ってたけど、何で瑞稀の時だけタメ?
2人の時限定だけど。」
コイツ………………。
「……お前が言ったんだろう。
もう忘れたのか?」
「……どっから出してんの?そんな声。しかも櫁稀の声をも出るんでしょ?」
余計なお世話だよ。
俺の声域の範囲をお前が知ってどうする。
「知るかよ。」
「それもそうだね。真面目に答えられたら
どうしようかと思ったよ。そろそろ撮影
再開するだろうから行こうか。」
「あぁ、そうだな。」
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