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~奏side~“寄り道と言う名の迷子”
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授業中に静かにスマホが震えた。
直接かかってくるってことは、ユキさんか父さんだ。
最近ご無沙汰だしな…………父さん、かな?
スマホを見えないように取り出しメールを見る。
『今日6時から収録よ?忘れてないでしょうね?
4時半に裏門に迎えに行くから速く来てね♪
ユキ』
………ちょっと拍子抜けだ。
ッッ!!って俺は期待してるみたいな言い方ッッ!!
いやいや、仕事だから気分切り換えないと。
「大丈夫ですか?百面相してますけど。」
「アハハハ!!大丈夫!………大丈夫…。」
「はぁ。」
心底分からないといった表情で怪訝な顔をされた。
そして放課後になり俺は指定された
裏門に向かって歩いる途中なのだが…。
(あれは薙十君と黄瀬君?揃いに揃ってるな。)
見つかるとめんどくさいし、違う道通るか。
薙十君には俺が月神ってバレてるしな。
―――― 10分後 ――――
………迷った。俺は方向感覚がよい方ではない。
それに加え転入して一週間だ。迷うのも無理ない。
困ってうろうろしていると、
向かいから知っている人達が歩いてきた。
「あのー。」
「はい?あぁ、仮入部に来てた…………。」
「藤咲です。藤咲奏。」
「藤咲くんね。私は桃井さつきです。」
「桃井さん、でいいかな?」
「もちろん!!」
「ところで桃井さん裏門ってどこかな?」
「裏門?一軍の体育館の裏だよ。
私も今から部活だから一緒に行こうか?」
「ありがとう、助かる。」
桃井さんについて俺も歩き出す。
(この学校広いから迷路だな。)
「今日は部活来ないの?」
「あー、ごめんね。今日仕事なんだ。」
「仕事………?」
「俺芸能人のマネージャーやってるんだよ。」
「へぇー!!すごいね!!」
「そんな大袈裟だよ。誰か好きな芸能人いるの?」
「月神櫁稀と瑞稀!!明日ライブでしょ?
人気高すぎてチケット取れなかったけど、
今回初めてチケット取れたの!!」
「へ、へぇ……そうなんだ。
今度サインでも貰ってこようか?」
「えっホント!?嬉しい!!」
まるで跳び跳ねるように喜ぶ彼女を見ていると、
キラキラしたオーラを感じた。
所謂芸能人独特の雰囲気の事だ。近くにいるな。
「ごめん!!時間無いから行くね!!案内ありがと!!」
黄瀬たちがはっきり見えた。危なかった……。
必死に走ったから見られてないはず………多分。
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