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~薙十side~“入部詐欺”
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ライブから数日経ったある日の放課後、
俺と奏くんにとんでもない試練が待ち受けていて、
このうえなく心をひとつにすることになった。
「「はぁ!?バスケ部入部!?」」
そして事の発端は数時間前に遡る。
ホームルームが終わり部活の支度をしている最中、
「薙十っち本当にバスケ部入らないんスか?」
目の前の席黄瀬くんが振り返って勧誘してくる。
「入らないっていってるでしょ」
一日一回は聞くこのセリフにもう飽き飽きだ。
いつも通り他の部活の写真を撮りに行くため、
鞄を肩にかけ教室の出口に向かう。
すると教卓の前を通ったところで担任が
「柊、お前バスケ部に入ったらしいな
兼部はきついだろうが頑張れよ」
………は?
なんだかとんでもない聞き違いをした気がする。
あぁ、そうだ聞き違いだ。
聞き違いに決まっている。
「えぇー!!薙十っち入ったんスか!
入ったなら教えてほしかったっスよー!!」
後ろからそんな幻聴が聞こえてきた。
「黄瀬くん、殴っていい?」
「なんで!?」
暴力反対っスー!!なんて黄瀬くんが騒いでいる。
なんでって?
それはこっちのセリフだ、このシャララデルモ。
なんで俺がバスケ部に入ったことになってんだ。
「………あーくそっ!!」
▽
「虹村先輩いますか」
すぐに3年の教室に向かい虹村先輩を探した。
理由は明白。
バスケ部入部が真実かどうか、確かめるためだ。
「どうしたんだ柊?」
虹村先輩は案外すぐに見つかった。
もう部活に行ってしまっているかと思ったが、
杞憂だったらしい。良かった。
「俺はいつバスケ部員になったんですか?」
「…は?」
彼は不思議そうな顔をしていた。
それが示すのは俺はまだバスケ部員ではないことだ。
それが分かってホッと息をついたその時、
「あぁ、そういや赤司が新入部員が
どうとか言ってたがあれお前か?」
「…はぁ?」
虹村先輩はとんでもない爆弾を投下した。
…次の行き先、決まりだな。
▽
「赤司くん!!」
生徒会室のドアを勢いよく開ける。
思いのほか大きな音を立てたせいか、
生徒会の人が驚きこっちを向いているが、
今はそんなことどうでもいい。
「柊、扉は静かに開けろ」
「はいすいませんでした!
で?どういうことか説明してもらうよ」
「何のことかな?」
「しらばっくれないでよね。
なんで俺がバスケ部に入ってるわけ?」
「あぁそれか。それは…「赤司くん!!」」
不意に後ろから叫び声が聞こえた。
振り替えるとそこに奏くんが立っていた。
「なんで俺がバスケ部に入ってんの!?」
そしておれと全く同じ内容を口にした。
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