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ホラー映画はキスの味
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樹が俺んちに来た。
「わー、これやばいやばい見てみて」
「…無理見れない」
「ねえ、ねえってば」
「なんで目輝いてるんですか」
家に着く前携帯に今日は弟も友達の家に、母と父は知り合いの結婚式でみんな家にいないというlineが届いた。
それで家に来るか、と聞くと今までにないキラキラした表情で頷かれ今に至る。
それしても
『彼女連れ込んでイチャイチャするなよキモい』
とlineが弟から来た時は苛つき携帯地面に投げかけたがその通りになってしまった。彼女じゃないけど
樹は一旦家に帰り服やらなんやら着替えて軽い手荷物で俺の家に入った。
「悠さん、やめよこれ」
そう言って俺の部屋のベッドの壁に寄りかかり体育座りをする樹。本当に怖いのか、絶対にテレビに顔は向けない。
怖がる人見るの好きだよ(にっこり
そう、今俺の大好きなホラー映画を見ている訳だが本気で怖がっていてこっちまで楽しくなってくる。
テレビの向こうではおかっぱの女の子が蔑むような目でニヤリと笑っていてその歯がとんがり自分の唇に突き刺さっている。どんな特殊メイクだ!と突っ込みを入れたくなる。
「悠さん悠さん」
服の裾を引かれ体を寄せると俺をすっぽりと後ろから抱きしめ足の間に俺を入れる。肩に顔を埋めている樹に少し頬が緩む。
「…ん、っ」
右手の人差し指が唇に当てられ、歯茎をなぞられ少し口を開ける。すると指先が舌に触れ甘い快感が体を走る。
「…えいはみへるのに」
「何言ってるか分かんないですよ」
肩に埋めたまま話されるのもそれはそれでドキドキする。変な匂いとかしてないよね、俺。
テレビではホラー映画らしきBGMが聞こえ女の人の甲高い悲鳴やら聞こえてくるのに、頭がぼんやりして舌に与えられる指先の刺激に体が熱くなる。
「悠さんキス」
顔を左上に向けると、
優しく唇と唇が触れ合う。
これだけなのに、凄く幸せ一杯になる。
俺は案外単純な人間なのかもしれない。
「…ねえ、お風呂一緒に入りましょ」
そう少し潤った瞳で見つめながら言われる。
その妖艶な雰囲気に、俺はまた落ちていく。
____.○◯
「お前1人で入るの怖かっただけだろ」
ふふ、と笑いながら服を脱ぐ。樹は困ったように眉を下げすみませんと返され少し驚く。なんか素直になったな。
なんか可愛くて
身長の高い彼の頭をポンポンと撫でた。
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