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再開 ~春也~
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今日は高校の入学式だった。
校長の話は長いし、外は雨で4月とはいえ体育館は寒いし、隣の人は軽くイビキかきながら寝てるし……
とにかく早く終わってほしかった。
なのに──…
「新入生代表!早く出てきなさい!!」
新入生代表の挨拶が始まらない。
まわりも少しイライラしている。
(うー…早くしてくれないかなぁ─…)
そう思っていると体育館のドアが勢いよく開いた。
皆がそっちに注目すると、少し不良っぽい生徒が体育館の真ん中を突っ切り舞台へ上った。
先生も生徒も、保護者の方々もその人を眉をひそめてただ見ている。
しかし、当の本人は涼しい顔をしてマイクを手に取った。
「おいっ、君!何をしている!?早くここから出て行きなさい!」
先生達が慌てて舞台に上がり手を伸ばした時だった。
「…新入生代表、池田友綺(いけだともき)。自転車のタイヤのパンクで遅刻してすみません。」
その生徒がそう言った。
(え?新入生代表?
このいかにもな不良が?)
あちこちから俺と同じことを思った人の声が聞こえる。
だけど、それよりも気になることが聞こえた。
「いけ…だ…ともき……?」
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