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池田の中の明野と俺 ~楓~
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池田が写真を見て『フラグの通りになってもうた』って言った時、初めは何が言いたいか分からなかった。
…イキナリこんなこと言われたら誰でも理解出来ないに決まってる。
でも、その表情を見ていると何だか次の言葉は聞きたくなかった。
でも、言葉を聞かなくても、池田が写真に写る3人のうち1人を指さした時点でなんとなく解ってしまった。
そして、池田が「…これが……春也。」と言った時点で、それは確信へと変わった。
“この3人は俺達だ”
そう分かった瞬間に、池田の言葉に違和感を感じた。
左端の子を指差した時は、それが『明野春也』だと言い切ったのに、俺を指差した時は『“多分”これが…木下』って言った。
なんで俺の方は不安げなんだよ─…
むしろこれは俺の写真なんだから、“多分”ってつけるなら明野に対してだろ…
それに明野のことは“春也”って呼ぶんだな…。
もしかして…あくまで、もしかしたらの話だけど…
池田は明野のことは覚えていて
俺のことは忘れてた……?
いや、俺なんて2人とも忘れてたから、別に忘れられていたこと自体は良いんだけど……
でも、忘れられていたのが俺だけって言うのは……
正直、寂しい─…
哀しい─…
悔しい─…
池田の中では明野“だけ”が特別なのか?
また俺は……2人を見ることしか──…
…ん?
『また』?
何でこんな風に思った…?
俺は池田のことも明野のことも全く覚えていないハズなのに─…
なんて……
本当はきっと思い出したくないだけ。
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