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メールからの (ストーカー×平凡)
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俺の悩み。
最近ストーカーされている。
どこにでもいる平凡な俺にありがたいような、ありがたくないような。
可愛い女の子だったらストーカーされるって気づいたら自分から話しかける。絶対話しかけるよ。
だけどさ、
だけどさ!!
男が男にストーカーされるってどうよ?
男にストーカーされてるって気づいたのは3日前。
それはバイトが終わって帰る時のことだった。
一人暮らししている俺のアパートからバイト先は近いのでいつも歩きで帰ってる。
終わったのは夜中だから、まわりには人の気配がなく暗い道を1人で帰っていた。
ここは治安も悪くないから安心してたんだ。
今日は客多くて疲れた。
のんびりして帰ろう。
そう思って携帯をいじりながら歩いてると、後ろから足音が聞こえた。
あれ、珍しい。この時間誰もいないのに。
ただ後ろに誰かいるってことだけ
その時はそれしか思ってなかった。
しばらくして時計をみたら、いつの間にか俺の好きな番組がはじまる時間だった。
やべ!!のんびりしすぎた!
慌てて携帯をポケットにしまい、軽く走る。
あれ?後ろにいた人も走ってる気がする。
そっちも急いでるのか。俺はまだ間に合いそうだから平気だけど、
ここは道が狭いから前の俺が邪魔なのかな?
俺は走るのをやめ、少し右に寄って道ができるようにした。。
だけど
人が俺を抜かすことはなかった。
後ろのやつはまた歩きはじめたんだ。
ん?なんで抜かさないんだろ。
歩いて、走って、歩いて。なんか真似されてるみたい。
不審に思いながらも、慌てずに歩く俺。
なんでここで逃げなかったんだろうといまの俺は後悔している。
普通ここでわかるのに、俺はバカだと確信した。
数分経って、アパートについた。
俺の部屋は二階にあるので鍵を出しながら階段をのぼった。
すると、後ろでも階段を上る音がした。
え?もしかしてさっきの人?一緒のアパートだったんだ。
挨拶しないとなー
後ろを振り向くと、全身黒くまとめられた服に顔が見えないくらい深く被られてたフード。男の人だ。
…めっちゃ怪しい格好してる。
それが第一印象だった。
その人に対してペコっと少し頭を下げた。
相手はこっちをみてるはずなのに、挨拶もしなければ、お辞儀もしない。
無視かよ。愛想の悪い人だな。
少しイライラして自分の部屋につく。
ドアノブに鍵を差し込むと、俺の真横にさっきの人がいた。
「!!」
気配に気づけず、体が異常にびくっとなった。
なにこいつ。
なんか…
怖くなってドアを勢いよく開けて勢いよく閉めた。
鍵もちゃんとロックきて、普段使わないチェーンもかけた。
も、もしかしてストーカー?
明らかになんかやばかったんだけど。
もしかしてバイト先からついてきてたのか?
そう考えることしかできなくて、冷や汗が、湧き出てくる。
でも、気のせいかもしれない。そうだよ。
こんな平凡にストーカーができるはずない。
気持ちを紛らわそうと風呂入ってすぐ寝た。
俺が電気消すまで、そのストーカーはアパートの前にいたことは知らなかった。
朝を迎え、午前中から講義があるため早く家を出た。
すっかり昨日の事を忘れていた俺は、友達と楽しく一日を過ごしていた。
講義の最中、ポケットをあった携帯が震えたのでこっそり携帯を開いた。
メールだった。
登録してないメアドだ…迷惑メールか?
好奇心で開いた。
その内容をみた瞬間、血の気を失った。
To:林くん
Sub:おはよう?こんにちは?
昨日やっと会ったね!
初めて目が合ったから舞い踊りそうにな ったよ。だけど、林(はやし)くんの前ではカッコよくいたいから我慢したよ。
今日も可愛いね!朝一林くんをみれて今日らラッキーデーな気がする。
今となりの人は友達?どういう関係なのか気になるなー。俺もこの講義を選べばよかった!
それじゃ林くん、講義頑張ってね。
また後でね!
昨日の出来事が蘇り、いっきに気分が悪くなった。
いつ俺のメアドを入手した?
なんで?どうして?
俺の頭にはそれしか思い浮かばなかった。
まともな講義を受けれず、友達に心配されながらやっと講義がおわった。
この後もバイトだけど、
メールの最後の「また後でね!」に恐怖が湧き、また昨日の様についてくるんじゃないかと思い、今日は休んだ。
俺は寝室にこもっていた。
なんで俺をストーカーするんだ。
最近出会いなんてなかったのに。そもそも友達とばっかで、新しい知り合いなんて最近は出来なかった。
誰からメアドを聞いた?もしかして登録し忘れだけで、俺の知り合い?
講義の話してたし、俺の通ってる大学の誰かだろう。
でも、メールでは初めて目が合ったっていってた。
まだ喋ったことないやつなんてこの世になん億人もいる。
誰だよ!!
思い当たる人物を考えてると
携帯が震えた。メール?
「…またあのメアドだ」
ストーカーから再びメールがきた。
怖いけど、開いてみた。
To:林くん
Sub:どうしたの?
今日バイト休みみたいだね?
何かあった?体調不良かな?
朝は元気だと思ってたんだけど、俺まだまだ林くんの事よく知れてないね。これから林くんがガッカリしないように頑張るよ!
お大事に。
思わず携帯をベッドに投げ捨てた。
俺のバイト時間も把握してるのか。
本物のストーカーだ。
ストーカー事件とかのニュースは他人事みたいに見てたけど、こんなに恐ろしいのか。
…精神的にくる恐怖。
これはさすがにヤバイ。
投げ捨てた携帯を手に取り、メアドを変える。そしてあのメアドを着信拒否した。
少しは気分が楽になり、ほっとしたのか睡魔が襲ってきた。
ベッドに身を投げ捨てれば意識は途切れた。
翌朝、着信音によって目が覚めた。
誰だよと思いながらメールを開いた。
To:林くん
Sub:びっくりしちゃった
林くんメアド変えたんだね!
おやすみメール送れなくて慌てちゃったよ。
あと昨日から電気付けっ放しだったよ?
一人暮らしなのに電気代大丈夫なの?
それだけじゃなくて、電気を付けっ放しで寝ると体に良くないから気をつけてね。
今日も一日がんばろ!
なんで。
着信拒否にしたのに、メアド変えたけど変えたメアドを誰にも教えてないのに。
この携帯が恐ろしく感じた。
今日も午前中に講義があるため、家を早めに出た。もちろん携帯は家に置いた。
携帯の事気にせずにできたから、楽しく過ごせたと思う。
今日はバイトもないし、家にすぐ帰ろう。
家について、テレビをつけた。
昨日みれなかった録画してあったバラエティーを観てた。
そしたら着信音。
まさか…
と思いながら携帯をみた。
「…やっぱり」
To:林くん
Sub:今日もお疲れ
林くん、今日は携帯持っていってないね。
充電きれてたのかな?
さっきメールしようとしたけど、持ってなそうだから止めたんだ。
今日バイトないよね。最近体調悪そうだからゆっくり休んでね。
体調悪くなったの誰のせいだよ。
そう返信したいけど、ストーカーとはコミュニケーションを取りたくない。
なんで俺の様子がわかるんだろう。大学で結構すれ違ってんのか?
そして翌朝も携帯の着信がくれば、ストーカーからので、内容も俺の様子について。
だんだん、メールの内容が細かくなってる気がする。
俺がいつトイレに入ったか、食堂で何食べたか。俺は全部知ってるよって言われてるようで、怖かった。
最初の恐怖よりかは薄れてるけど(慣れって怖い)やっぱり怖い。
そして、現在。
俺の悩み。
最近ストーカーされている。
そして新たな悩み。
ストーカーに返信しようかと迷っている。
俺をストーカーする人物が思いつかないので
直接本人に聞くしかないと思ったのだ。
講義と講義の空いてる時間を利用して俺は大学の裏庭にきた。
周りにはちらほら人がいる。
俺はベンチに座り、携帯をみつめる。
うーんうーん悩んでる俺の空間を邪魔するかのように、複数の女の子の声がした。
だんだんこっちに近づいてくる。
その集団がみえてきた。
それは女の子の集団とそれに囲まれている男、有村和也(ありむらかずや)だ。
有村といえば、大学内で1位、2位を争うほどのイケメン。
たぶん1位だけど。
騒がしい女子に対して、綺麗に微笑む有村はすごいと思う。嫌じゃないのかな。
毎日毎日女に囲まれてる有村が羨ましい。
俺なんかストーカー男、1人だけなのに…。世の中不公平だ。
その集団をぼーっと眺めてると、有村と目が合った気がした。
…どうでもいいや。
集団を後にし、今は携帯携帯。
うーん。どうしよ。
シンプルにお前だれ?って言おうか?
いや、ストーカーが簡単に名乗るわけないよな。人間はそんな馬鹿じゃないはず。
握りしめてる携帯から振動が伝わってきた。
メールだ。しかもストーカーからの。
あ、分かりやすくするためにストーカーの振動はリズムがあるほうに設定したんだ。一瞬でわかるから便利。
To:林くん
Sub:見つけた
今日も林くん可愛いね。
そんな携帯握りしめてどうしたの?
見つけた?探してたのか?
ってことは、今同じ空間にいるってこと?
慌てて辺りを見回した。
だけどそれらしき人はいなかったし、俺をみてる人もいなかった。
また携帯が震えた。
To:林くん
Sub:可愛い
キョロキョロしてる林くんも可愛い。
俺を探してくれてるの?
嬉しいな。俺はここにいるよ。
どこだよ!
思わず内心ツッコミをいれてしまった。
また辺りを見回したが、やっぱりそれらしき人物はいない。
えーい!もう返信しちまえ!!
「どこにいる」って短い文を送ってみた。
そしたら誰かの着信音が聞こえた。
お?ストーカーのか?
近くで鳴ったからすぐそこにいるのか。
三回目のキョロキョロ。
「和也くん、メール?」
「誰からー?彼女じゃないよね!」
「着信音変えた?前と違う気がする?」
どうやら有村からの音で女子が騒ぎはじめた。
なんか面白いから盗み聞きしてみる。
「俺の大切な人からのメールだよ。着信音変えたっていうか、この人のは特別なのをにしたんだ。」
おおお。有村に大切な人がいた!彼女か?
これは大学内の女子達は大騒ぎだ。
ていうか、はじめて有村の声聞いた。
すごい。声もイケメンってどういうこと。
そう思ってると、リズムのあるバイブが伝わった。ストーカーだ。
To:林くん
Sub:嬉しい
はじめての返信すごく嬉しい!
すぐメールを保護したよ。これから毎晩寝る前にみるね。ありがとう。
……。
て、おい。
質問に答えてねぇ!!!
場所は教えられないってか?
ムッとしてまた返信を書く。
「誰なんだよ」
さっき悩んだけどもうこれでいいや。
送信ボタンを押した。
有村のさっきの着信音が聞こえた。
え?…偶然だよな?
思わず女子に囲まれてる有村を凝視する。
俺が送信ボタンを押すたび、有村の着信音が聞こえる。
そんな偶然ってあるか?しかも二度目。
まさか、ストーカーが…有村?
…いやでも、そんなわけない。
有村とは一切関わったことない。しゃべったことないし、さっきだって初めて目があった。そもそもイケメンがストーカーにはならないはず!!
有村を凝視しつづかたら、バイブが鳴った。
To:林くん
Sub:ふふふ
俺のこと知りたいの?
嬉しいな?
でも安心して。俺は林くんのこと全部知ってる。
だから質問に答えろって!!!
イライラしてまたメールを打つ。
「質問に答えろよ」そして送信。
「和也くん、メール続いてるね」
「大切な人ってやっぱり彼女なのね…」
またあの着信音が鳴って女子は諦めたかのように次々に有村から離れていく。
それでも有村を囲む女子はまだまだ減らない。
っていうのはどーでもよくて。
また送信ボタン押したら鳴ったよな。
まさかマジで有村なの?
有村を疑いつつ、凝視する。
すると、ふと目が合った。
「!」
バツが悪そうに慌てて俺から目を逸らした有村。
…怪しい。
なんか困った顔してるし。怪しすぎる。
あ、メール。
To:林くん
Sub:ごめん
質問に答えてるつもりなんだけど、
違ってたのか。ごめんね。
……だから答えろっつーの。
呆れてもう返信するのをやめた。
どう聞いてもどーせ答えてくれないだろう。
だけど成果はでた。
怪しい人物を発見した。ストーカー疑惑有村。
本当にそうなのか俺はこれから観察してみる。
あ、目があった。
また逸らした。
あ、また目があった。
ちらちらこっちをみる有村。
やっぱりそうなのか?確信していいのか?
もやもやしてると講義がはじまる時間だ!
まだ観察してたいけど、今日は諦める。
荷物を持ち、ダッシュで大学の中に入った。
講義がおわり、だらだらと広い廊下を歩いた。
この講義を受けてる学生は少ないので、すぐ廊下で1人になった。
ふと、ある人物がみえた。
自販機の前で悩んでるような顔をしている有村だ。
「…」
話したことないけど、ストーカーの件聞いてみようかな。
だが、どうやって?「ストーカーしてた?」みたいな?
うーん、失礼だよな。違った時の俺、恥ずかしさやばいって。
有村の後ろに立って、肩をつんつんしてみた。
「?…うわあ!」
振り向いた有村は俺の顔をみるなり、過剰な反応をする。
どんな表情でも美形だ。
俺だったらまぬけな顔になってるだろうな。
「な、なに?」
有村は目を泳がせて焦ってるようにみえる。
「き、今日裏庭で会ったね」
きっと有村にとってどうでもいい話だろう。
だけどはっきりさせたいからダル絡みに付き合ってくれ!
「そ、そそそうだっけ?」
「うん、目合ったし」
す、すごい焦ってる。
「っ、えー、あー、うん」
「彼女いるんだって?」
「!!か、のじょっていうか…」
「いいね。有村が彼氏になったらどれだけ幸せなんだろ」
あー、これ引かれそう。
ていうか、有村がストーカーじゃなかったらどうしよ。恥ずか死ぬ。
「!!!林くん!」
「…あれ、俺の名前知ってるんだね」
かかったな!!
やっぱり有村が!!
「え、」
「有村、ストーカーはお前か!」
「…」
「答えろ」
「…」
「有村?」
有村はうつむきはじめて、なにも喋ろうとしない。
え、もしかしてやっぱり違った?!
「ひ、どい」
「え?」
小さく呟いたと思えば、勢いよく顔があがった。
「す、ストーカーだなんてひどいよ!俺ただ林くんと関わりたかっただけなのに!」
え、有村が泣いてる。
なんだこれ。
「好きな人のことを知るっていけないこと?見守っちゃいけないの?」
えー…なんか俺が悪いみたいになってる。
「いや、そうじゃないけど…」
「本当?!じゃあ続けていい?」
「だめに決まってるだろ」
いけないことを聞いたので即答してやった。
俺悪くないよな?ストーカーっていけないことだよな?
「やだ!やるやるやる!」
有村ってこんな泣くのか。駄々っ子だな。
いま俺たち2人しかいないからよかったものの。
有村のイメージ変わってしまった。
何回だめって言ってもやる気なのねで
仕方なく…本当に仕方なく許した。
「わかったよ」
「本当!じゃあ林くん付き合って!」
「わかったって……
え?」
「やった!林くん大好き」
「ま、待っ…」
思わぬ状況でストーカーとデキてしまった。
あー…平凡な生活に戻りたい。
END
*
長いしぐっだくだwwww
本当にすみませんm(_ _)m
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