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弟できました。2 (兄×美形義弟)
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義父と義弟ができて半年が経つ。
突然他人と暮らすことになったため、ぎこちなかった生活が最近では普通に生活できるようになった。
母と義父はいい歳になったにもかかわらず、イチャチャしっぱなしで現在新婚旅行中だ。
俺と悟といえば、悟が俺に懐いたおかげで仲のいい本当の兄弟のような関係になった。
兄弟に憧れてたから一緒に生活してると改めて自覚すると今でもニヤける。
俺はお兄ちゃんだからたくさん甘やかさないとな。
***
俺は朝が苦手だ。
目覚まし時計は何個かつけとかないと起きれないタイプで母も苦労したようだった。
だけど今は俺を起こす係りがいる。
「弘樹!起きて」
誰かがまだ夢の中の俺を揺さぶっては声をかける。
耳元で囁かれたためくすぐったくて布団を頭までかぶった。
そいつはめげずに俺にのしかかってさらに揺さぶる。
「ひーろーきー!起きないとちゅーするよ!」
その言葉を聞いた瞬間、俺の上半身は起き上がった。
バランスをくずしたそいつはどてっと俺の足元に倒れる。
「もう。弘樹の馬鹿。そんなに俺とちゅーしたくないの?」
「…悟」
そう。俺を起こす係りとは義理の弟の悟の事だった。
***
「弘樹が起きなければちゅーできたのにな。あえて起こさないでちゅーすればよかった〜」
料理ができる悟はキッチンで朝食の準備をしながら俺に話しかける。
「怖いこと言うなよ…まあでもあれはいい起こし方だ」
「……俺本気なんだけどね」
ぼそっと悟が何か言ったように聞こえたが、気のせいだろうと思い深く問わなかった。
***
「じゃ、俺いってくんね。弘樹、ちゃんと鍵閉めてよ」
「わかってるっへ」
むしゃむしゃと悟が作ってくれたうまい飯を食いながら手を振った。
俺をみて満足そうに笑って出て行った。
悟が家を出た30分後、支度を終えた俺はマイカーに乗って大学に向かった。
***
2限が終わり荷物をまとめる。
今日は講義が午前中のみだから早く帰れる。それが嬉しくて脳内ではるんるんだった。
おーし、今日は撮り溜めしてたドラマとか観るかあ!
階段を降りているとふいに肩を叩かれた。
「弘樹ー!一緒に帰ろうぜ」
「あれ?松、まだ次の講義あるよな?」
振り返れば友人の松本こと松(まつ)だった。
「あー教授が風邪引いたみたいで、休講だってよ」
「は、嘘だろ…もらい忘れたプリントとかあるのに!」
前回は俺が風邪で講義に出席できず、期末に関する大事なプリントを大学出る前に研究室に顔を出しに行こうとしたのだ。
はあ、俺の期末……運に任せよう、
「諦めな。さっ、俺をお前の車で送ってくれたまえ。」
「少しは同情しろ」
「はっはっはっ、行くぞー」
笑い方にイラっとして、薄情者のケツを膝で蹴り上げる。
キーを挿し込み車のエンジンをかける。
助手席に乗った松は鼻歌を歌いながらスマホをいじっていた。
「おい松、おまえんちでいいの?」
「ええよ、ええよ。覚えてるっしょ?」
「弟の高校の近くだから覚えてる」
「あ!そうじゃん!弟くん!噂によると超絶美形らしいじゃん??」
「どっから流れてきたんだよ、その噂…」
人間というものは怖い動物で、大好物な噂はあっという間に広まってしまう。
そんな噂を聞きつけた女子たちは俺の元へ来ては悟の話ばかり聞いてくるのだ。
見たこともない人に興味抱くことが理解できない。まあ、イケメンなのは間違ってないけど。
「まあまあ、そんなことより出発進行〜!」
「うざいなあそのテンション…」
呆れた目で松を見つめると、気にするそぶりもなくオーディオコードにスマホを繋げて音楽をかけていた。
他愛もない話をしながら松の地元までやってきた。
まだ正午を過ぎて少ししか経っていなかったのに制服を着ている人達が歩いていたり、自転車に乗っていたり、信号待ちしていたり、ちらほらいる。
ちょうど信号が赤になって、悟の高校の前に車が止まった。
「あれ、弘樹の弟くんってこの高校だよな?」
「そうだけど、何だろ早く終わったのかな」
「下校してる人数多いし、それっぽいよね、……って、うわ、あの信号待ちしてるカップル超美形じゃね?」
大通りの向かい側で楽しそうに喋っていた二人組を松はさしていた。
距離があったので目を凝らしてそのカップルに目を向けた。
「美形カップルかあ、さぞかし素晴らしい青春を過ごしてるんだろうな…………って、悟じゃん。」
「え?!知り合い?!」
「うん、弟。」
「ええぇええー!!」
耳を塞ぎたくなるような声量を出す松の頭を軽く叩く。
信号が青になった途端悟が歩いている方面の道路で車を走らせて悟に近づく。
クラクションをプッと短く鳴らし助手席の窓を開けて悟の名前を呼んだ。
「悟ー!おーい!」
「?!……ひ、ひろき!」
俺の声にびびったのか、辺りを慌てて見回してから俺の車の存在に気がついて目を丸くしていた。
笑顔で歩み寄る悟のまわりにどことなく花が咲いたような気がした。
「弘樹!迎えにきてくれたの?!、って誰ですか」
嬉しそうに窓から覗き込んだのに、松の存在に気づいて真顔に変わってしまった。
人見知りなのかな?
「あーこいつ大学の友達の松!ここらへんが実家でこいつ送ってたの」
「…ふーん、車で送る、ねー…」
「初めまして!大親友の松本ですっ!松って呼んでねっ」
「………………ちわ、」
語尾にハートが付きそうな松の自己紹介に冷めた目で悟は見ていた。
おーい、明らかにスベってんぞ松
俺もあんな自己紹介されたら同じ反応になるんだろうな…
「あ、そういえば 悟に連れがいたよね?」
俺ははっとし、悟の後ろでこっちを見守っている少女の存在を思い出した。
「ああ、クラスメイトの子だよ」
「またまたあ〜!彼女なんでしょ!悟く〜ん」
いや松、お前馴れ馴れしすぎだろ…コミュ力高いかよ…
元々声量が大きい松の言葉が聞こえたのか少女は顔を赤らめていた。
初々しい反応!青春してんなぁ
「いや、違いますけど」
「照れ隠しでそんな否定しなくていいじゃん!彼女すごい可愛いし!」
「照れてないです」
「2人ともすごいお似合いだよ!オーラがすごい!」
「ちょっと黙っててもらえますか?」
松と悟の会話が面白くて聞き入ってしまった。ああ、悟に怒られた松しょぼんとしちやわったよ、
「弘樹、違うからね?本当に彼女じゃないよ?」
「いいじゃん、俺もお似合いだと思ってるよ?」
「え……」
思ってることを言えば、悟は絶句したかのような表情になった。
イケメンの顔は歪んでもイケメンのままだと改めて思った。
「……俺も車で帰る。」
黙ったかと思えば、悟は小さく呟いた。
「え?彼女は?」
「だから彼女じゃないし、ただのクラスメイト!帰る!」
俺らにそう言い残し、後ろにいる少女に顔を向けて何か話している。
会話は全く聞こえなくて、少女は小さく頷くとこちらに目を向けぺこりと笑顔で軽くお辞儀をして何処かへ行ってしまった。
戻ってきた悟は助手席のドアを開けて松に言葉を放つ。
「俺助手席座りたいんですけど」
「コラ悟。わがままが過ぎるぞ」
「やだ助手席がいい」
普段聞き分けのいい悟がわがまま言うのは珍しい。何言っても聞かなそうな悟に俺は困り果てた。
「あ、どうぞどうぞ」
松は、家はもうすぐそこだからって荷物をまとめて車から降りていった。その代わりに助手席に悟が座る。
車から松に謝り、また明日な!と挨拶を交わしてから車を走らせる。
「今日帰り早かったのな」
「…テスト期間だったから」
悟は何故かムッとしていて、家に着くまで珍しく俺に対して塩対応だった。
***
「悟、具合でも悪いのか?」
家についてソファに荷物や上着を置くと同時に悟に声をかけた。
「別に悪くない…」
冷蔵庫から水を取り出しコップを片手に悟はムッとしたままだった。
「じゃあなんか怒ってる?」
「……」
あちゃーー、確実に拗ねてるなこれ。
目も合わせてくれないなんてお兄ちゃん寂しいよ。
「冷やかされた事に怒ってんのか、ごめんて、にいちゃんが悪かった」
言葉を綴りながら悟の側に寄って頭をぽんぽんと軽く叩く。
髪の毛やわらけぇ…と頭の中で考えてしまう俺。
「!……」
一瞬目を見開いた悟は何か考えるような表情をした。
「機嫌直してくれよ」
「……じゃあハグして」
何も言わない悟に焦り、このまま喧嘩するのは悲しい…
ああ、俺ってブラコンだったのかと自覚していると、悟は意外なことを言い出した。
「ハグ?」
ハグって抱きしめるってことか?
そういえば悟は暇さえあれば家で俺に抱きついてるよな
日常化してるから特に気にしてなかったけど、ハグが好きなのかな?
や、でもお袋と義父さんにしてるとこ見たことないような……
「こうか?」
恐る恐る悟の背中に腕を回して、ぎゅっとする。あ、悟体温高くて気持ちいかも…
「うんっ、」
表情は確認できないが声質で悟の機嫌が直ったことにほっとした。
俺の目線より低い位置にある頭を撫でると、悟は俺の首筋にすりすりと顔を埋める。
「よしよし、悟は甘えん坊だなあ」
「弘樹にだけだもん」
「ははっ、悟かっわいい」
素直にそう言えば、首筋から離れ綺麗な顔が俺を見上げる。いつも間近でみる綺麗な顔は何度見ても飽きない。
「弘樹」
「ん??」
大きな目で見つめられ、呼ばれて返事をすると、
ちゅっ
「えへへっ」
ぽかーんとしている俺に反して、悟は恥ずかしそうに笑っていて、
俺着替えてくるね!と俺から離れて二階へと向かって行った。
「…」
ちょ、いま何が起きた。脳が追いつかないんだが…
き、キス?俺は、弟にキスされたのか?
何をされたのか自覚すると謎に心臓がうるさくなった、鳴りやめ俺の心臓!!鳴りやめたら死ぬけど頼むから鳴りやめー!
ドキドキドキドキ
止まるばかりか、さっきより脈が速くなってる気がする。
…さっきの悟の顔を思い出す。
どこか色気があって、それでぷるぷるツヤツヤしていた唇、もっと吸い付きたくなる唇…………
待て待て、落ち着け!落ち着け俺!!
相手は弟!いくら義理でも弟は弟!
いや、それ以前に男だし……ごにょごにょ…
…てか、あの顔本当に可愛かった
唇も柔らかくてふわってしてて、
もっと、こう…舌を入れて、いやらしく……
はっ!!俺は弟相手になんてことを!!!!
「ウワァァァぁぁぁあッ!!!」
膝から崩れ落ちた俺は罪のない床を叩きながら喚いた。
END.
弘樹が何かと葛藤している事を知らずに、その頃の悟は自分の部屋で愛用している枕をポカポカ殴っていた。
「…くっそ、早く高校卒業して弘樹と同じ大学に通って、弘樹のまわりの奴らを排除したい…っ!!」
と、怖いことを言っていた悟に弘樹は想像もしないだろう。
END 2
*
作者ですが個人的にこの話好きです…笑
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