アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
22
-
「あの、先輩...もしかして兄に何か言われましたか?」
「へっ?」
李斗くんの顔を見たら少し悲しそうな顔をしていて
「だって今名前を聞いた途端に顔を曇らせたから」
そう言って頭を下げられた。
「そうだとしたら、ごめんなさい...」
「李斗くん...それは、違うよ?頭を上げて?」
李斗くんに近寄って頭を上げさせた。けど李斗くんも表情を曇らせた。
お互いに気まずくなってしまった。
「はーーーーいっ!変な空気のお2人さん、そこまで」
サキさんが間に入ってきて、僕と李斗くんの腕を引っ張り階段の陰に隠れた。
「サ、キさ「しーっ...」」
小声でサキさんがそう言いながら上を指差しがすると声が聞こえた。
「屋久土、有沢を手放していいのかよ...」
「良い訳ねぇだろうが」
「だったら有沢に謝れ」
羽山くんと屋久土さんが言い合ってた。しかも俺のことで...
「お前、謝る前に弟の方ぶん殴りてとか思わねぇのかよ?」
「思うけど...1番に傷つけた有沢に謝るべきなんじゃ」
「謝るに決まってんだろ!?けど、それは後だ。まず有沢に絡んだ崎谷をぶっ潰してからだ」
そんな話をしながら階段を下り、声が消えていった。
いなくなったのを確認すると3人とも息が抜けた。
「はぁ...取り敢えず良かったね、有沢さん。屋久土先輩にも羽山先輩にも嫌われてなくて」
サキさんはそういうけど、本当にそうとは限らない。
本人たちは上辺だけかもしれない...
やっぱり1年一緒じゃないのはデカい。
彼らのことを僕は何1つ分かっていないから...
だからある意味離れて正解だった。
でも
それでも
「有沢さん...そんな泣かないで」
辛い。
辛いよ...助けて
......屋久土さん
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
23 / 108