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「ったく...」
ため息をつきながら席に戻っていった。
円香さんにも言ってたように僕も早く出て行ったほうがいいのかなとか考えたけど
「有沢」
「は、いっ!」
「そんなとこ立ってないでこっち来い」
書類に目を向けたまま手招きされ言われるがまま
屋久土さんの元へ行き
屋久土さんの邪魔にならないように屋久土さんの隣の隣に座った。
「なんでそこ?」
「邪魔になったら嫌だなって思って...」
「邪魔なわけねぇだろ?ここ座れ」
僕の方を見ながら隣の椅子を引いてくれた。
「いいの?」
「ああ」
そう言って微笑んだ。
邪魔だって思われてなかったことに自然と心が撫で降ろされたように感じた。
座ったもののただ書いてる様子を見ることしかできなくて
「屋久土さん」
「ん?」
「何か手伝うことな、い?」
「そうだな。んじゃそこの書類分けてもらっていいか?」
「分かった!」
手伝えただけで嬉しかった。
僕は山のように詰まってた書類をなるべく屋久土さんが分かりやすいように次から次へと分けて行った。
去年の決算表だったり部活の会費表だったり僕が知らないことだらけの物が多くあった。
その脇で屋久土さんは総会の資料作りと今までの総会のまとめを書き留めていた。
大変な中でも僕が困って居たら助けてくれて。
お互いに仕事が終わり時計を確認したらもう19時を過ぎていた。
「有沢お疲れ」
屋久土さんにペットボトルのお茶を渡されて受け取った。
「ありがと、屋久土さんもお疲れ様」
お互いに資料を片付けて、生徒会室を出た。
「有沢のおかげで助かった。ありがとな」
「こちらこそ屋久土さんの仕事手伝えてよかった。僕も助けてもらったからさ。ありがと」
そんなことを言いながら、生徒会の話だったり昔の話をしながら教室へ向かった。
「そういえばなんで生徒会室来たんだ?」
「え、っと...屋久土さんがまだ仕事してるって聞いて大丈夫かなと思って、あの本当に迷惑じゃなかった?」
「迷惑じゃねぇって。来てくれて助かったって言っただろうが、バーカ」
また微笑みながら頭を撫でられた。
この頃の屋久土さんの笑顔に僕は弱い。
自分にだけに見せてるわけじゃないって分かってるけどそれでも笑顔を見ただけで顔が熱くなる。
「また、手伝ってもいい?」
「おう」
YESと言ってもらえただけで嬉しかった。
教室に着くなりお互い荷物を片付けて帰る準備をした。
「それじゃ、お先に...」
僕は足早に教室を出ようとしたら
「有沢待って!」
呼び止められて、振り返ると屋久土さんがリュックを持ち
急いで教室から出てきた。
「もしよかったら一緒帰らないか?」
「えっ?」
一瞬焦った。夢...かと思ったから。
「いや、有沢が嫌じゃなかったら一緒に」
「帰る」
僕は思わず即答してしまい、そんな僕に屋久土さんは嬉しそうに笑いながら
「じゃ、帰るぞ」
僕の背中を押してくれた。
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