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一緒に歩いてる距離は今までと変わらなかった。
けど...
屋久土さんからの視線が凄いわかる。
これって止めるべき?それとも気付かない振りすべき?
いつもこんなに見られてたっけ?
「なぁ」
色々考えていたら屋久土さんが口を開いた。
「な、何?」
「悩んでることねぇの?」
問いかけに歩みを止めた。
もしかしてあの時のくだり...また、なのかな?
「ある...よ?」
「ふーん」
屋久土さんの薄い返事に思わず屋久土さんを横目に見た。すると屋久土さんが僕を見てた。
「それって俺聞いてもいいやつ?」
「う...ん」
ここで逃げたくなくて、意を決して覚悟を決めた。
「僕...好きな、人がいて」
「誰?」
屋久土さんを見ると落ち着いた表情ですごく真剣に僕を見ていた。
あの時と違う形で心がざわついた。
「好きな人って、誰?」
もし振られたら...けど結婚したとしても子供なんて産めやしない。
「それは......」
『んー...有沢の知らねぇ人』
屋久土さんに言われた一言が頭をよぎった。同じ言葉を返せば逃げたことになる。けど伝えたとして振られたら...
僕はどうすればいい?
「有沢、大丈夫か?」
屋久土さんは何も言おうとしない僕が心配になって、どこか困ったようにしていた。
「有沢、顔真っ青だ...ごめん、困らせて」
「屋久土さん...」
「俺は有沢の困った顔を見たくない。だから...無理なんてしなくていいぞ」
どんどん屋久土さんの表情も曇っていく。
僕だって屋久土さんの曇った顔なんて見たくない...
「無理なんてしてないっ!僕は...僕は」
屋久土さんはいつに間にか僕に身体ごと向けてて、僕も自然と身体ごと屋久土さんに向けた。
「僕は...っ」
「うん」
屋久土さんの背中を夕日が照らし、屋久土さんの優しい表情が浮かび上がった。
そんな姿もカッコよくて...
「僕は...屋久土さんが......っ」
僕屋久土さんはそのまま僕の目の前まで来て、震える手を握りしめて包みこんでくれて
「うん」
そして、僕は...
「屋久土さんが...好きっ」
想いを告げた。
すると屋久土さんは微笑んで
「おいで」
言われるがまま腕を広げた屋久土さんの胸に飛び込んだ。
「俺も...有沢が好きだっ」
優しい声で屋久土さんは言い、僕を今まで以上に優しく抱きしめてくれた。
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