アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
19
-
「あーさひっ......あれっ?しーちゃん」
何処からか由鶴さんの声が聞こえてきて、俺は咄嗟に先輩から離れた。
「あっもしかして朝比を泣かせたなっ!?」
「違うっ!違わなくないけど違うっ!!」
「どっちだよ!?」
由鶴さん怒ってない?なんでだろう?
多分由鶴さんは有沢さんと会った時みたいに殺気を漂わせて起こるのだとばかり思っていた。でもそんな素振りが全くなくて......先輩なら許せるってこと?
「あの...」
「「ん?」」
「お2人ってどんな仲なんですか?」
「「従兄弟」」
そう聞いて少しホッとした。何か深い関係なのかと思ったから...
「じゃー俺帰るわ!円香も来たことだし」
俺から離れ机の上の荷物を持って、背を向けた。
「あの、先輩!」
「ん?」
「屋久土先輩たち待ってたんじゃ...」
「あいつら今日サボりだよ〜じゃーな円香、崎谷」
そう軽く言って先輩は教室から出て行った。
もしかして俺が由鶴さん待ってるって言ったから、一緒に待っていてくれたのか?そう考えたら先輩は凄くいい人で由鶴さんのように優しいんだなと思った。
「しーちゃんにはさ、明日あたり話してみようと思うんだ。俺と朝比のこと。話しても大丈夫?」
「はい、大丈夫です」
「ありがと」
優しく微笑んだ由鶴さんは俺を抱きしめた。いつもと変わらない暖かさに心が癒される。
ずっとこうしてそばにいれたらいいのにな...
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
85 / 108