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クラスに三、四人、人が入り始めると学校は騒がしくなってくる。
大抵の場合俺は一番に学校に来てクラスに入る。その次に石田、次に山田さんと小早川さん、次に大代、と登校する
「よー!はよ!かっしー!」
「はよ。てか『かっしー』やめろよな」
俺をかっしー呼ばわりするこいつは2番目代表・石田圭、大体の事を2番目でこなす器用なやつだ。特別頭いいヤツいないのになぜか成績は2位止まりの石田だ。
「やーだねっ!いーじゃん。かっしー。かっしィ〜、かっしぃぅぃぅ」
イラッとしたから耳を引っ張ってやった。
いてぇ!と声を上げるがそれは、
「自業自得だ。あほ」
「おっはお。かっしー?」
「誰がっ」
後ろから話しかけられたのでそっちを向くと、
ぷにゅ。
と頬に何かが刺さった。
「…………。何やってんの。小早川さん?……と山田」
「え、えーと。い、イタズラ……?」
フンワリとしたボブの紙を揺らしながら小早川さんは首をかしげた。女子の鏡。山田とは大違いに可愛い。あ、山田と比べたら可哀想だな。
「なんだよ。お前らぁ。あたしを置いてきぼりにする気はかぁ!」
山田はすごい形相で俺のイスの足をけってきた。
やめろゴリラ。
「やってやれ!山田ぁ!」
「茶化すな。あほ石田」
なんだよー!とぽかぽか殴ってくる石田をかまってると
「あっ!樫木君樫木君」
小早川さんに袖をちょいちょいと引っ張られた。何しても可愛いな。
「ん?」
「今日日直じゃない?」
「あ、ほんとだ。箱取りに行ってくる。小早川さんありがと」
「う、うん」
頬を少し赤くして俯く小早川さんを見て俺は教室をでた。
何人かの生徒とすれ違い職員室まできた。
軽くノックをしてから入った。
「2-A 樫木理緒、日直日程帳取りに来ました」
担任の机まで駆け足で行く。
目立つ金髪。俺より数10センチは高いだろう身長。端麗な顔つき。
「おお、樫木。ご苦労さん」
日直日程帳が入った箱を担任の木下先生から渡される。
「ああ、ありがとうございます」
金髪イケメンをみてほうけているのがわかったのか先生が紹介を始めた。
「あ、こいつは編入生の石蔵シキ。まあ、帰国子女って奴だ。色々教えてやれよ。あ、あと石蔵、こいつは樫木理緒。学級委員の1人だからこいつに色々教えてもらえ」
にこやかに言った。
「はい。木下先生」
そういうと石蔵は俺にガバッと抱きついた。
「え?あ?」
それは一瞬のことで俺の背中を2回ほど叩くと、石蔵はすぐ離れた。
「よろしく。樫木君」
「あ、ああ。よろしく」
最後まで狼狽えて、俺はそそくさと教室に戻った。
今考えると帰国子女だし、あっちの文化でハグすることもあるんじゃないか、と思った。いや思うことにした。
「あ。かっしーおかえりー!」
いつの間にか俺の席に座って寛いでる石田。
何様だ。
「ただいま。てか何座ってんの」
「いーじゃんいーじゃん」
軽い。
「なんか」
「え!なになに??」
石田は俺が話を持ち出したのがそんなに珍しいのか椅子を傾け詰め寄った。
「近い。なんか、編入生が来るっぽい」
「まじで!?女?可愛い?美しい?乳は?ぱいぱいは?」
「下品。残念ながら男だ」
露骨に嫌な顔をする。
「しかも金髪イケメン帰国子女」
嫌な顔通り越して変顔だ。おもしろい。
お前がリア充になるには早いんだよ。
ガラガラと戸が開く音がした。
先生だ。石蔵もいる。
女子達は黄色い歓声をあげはじめた。
「席につけー。HR始めっぞー」
先生の横にいた石蔵が俺の方をみてにやりとした気がした。
「皆さんおはようございます。イギリスから来ました。石蔵シキです。よろしく」
貼り付けたような笑顔に見えたのは俺の目がおかしいのだろうか?
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