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冬の家路。
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冬の冷たい空気は、運動したあとの体に心地よい。
身を切る風に体の熱を冷ましながら、俺は葉月と他愛のない話をしながら歩く。
部活が終わったあと、学校で資格の勉強をしている葉月と待ち合わせて帰るのがおれたちの日課だった。
「アキくん、最近部活どう?」
「ん。おれがすっげえ活躍してるよ?」
「あはは。それは知ってるよ、エースだもんね。他の人とかはどう?」
「あー後輩が、マジ言うこと聞かねーんだよ。それで二年がちょっといらつちてる。ま、一部の奴らだけだけどな。……葉月は?資格、取れそう?」
「うーん、どうだろ……頑張ってるよ。アキくんがサッカーやってると、外見ちゃうけどねっ」
にっこり笑っておれを見上げる葉月。一つ年上だからか、なんとなくおれを翻弄するような、そんな行動をすることがある。
それさえも、かわいいとおれは思っていた。
ーーそれは、おれが翻弄されるのが好きだから、なのか?
「それは、嬉しいけど」
「あは、アキくん照れてるー?」
「……照れてないよ、勉強しなよ」
「はーい、アキ先生の仰せのままに」
くすくす笑う、おれの彼女。
内心の複雑な思いを悟られなかったことに、一人ほっとした。
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