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会いたい奴。
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家に帰って自分の部屋に入ってベッドにダイブ。最近はいつもそうだ。
そして、ふらふらと窓辺に近づいてカーテンを開ける。これも、最近いつもやってしまうこと。
おれん家はマンションの6階で、この辺の住宅街が一望できる。左下のほうに、その家はある。
おれは窓を開けて、その家を直接目で見た。
そんなことをしても、意味はないのに。
おれが会いたい奴に、会えるわけでもないのに。
再びベッドに転がる。窓は開けたまま。冷たい空気がおれの体を冷やす。
おれの部屋の天井には、何も貼ってはいない。そのままの、白い天井。
おれは寝たときに何か目に入るってのが嫌だ。けど、あいつの部屋には、プラネタリウムのように、暗闇の中で光る星座の絵が貼ってあった。
会いたい。会って、あいつの涙の理由を知りたい。
でも、会えない。おれにはその理由が見当もつかないから。
「光輔……」
あいつの、名前を呼んだ。
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