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視線を逸らすのは、恥ずかしいからだろうか。
光希がこんな風に照れている姿を初めて見た気がする。
「……許してくれるか?」
『う、うん』
「本当か?良かった──!由貴に嫌われちまったらどうしようかって思っちまったぜ」
光希が安堵の笑みを浮かべていると、不意に光希のスマホが着信を知らせた。
悪い、と由貴に断って光希は電話に出る。
「もしもし。───あ、店長、どうしたんですか?」
店長?バイト先から電話だろうか。
電話の邪魔をしちゃ悪いと、由貴は光希の膝からそっと下りた。
電話の内容が気になりつつも、テーブルの上に置かれた食器を片付け始める。
食器を重ね、落とさないように慎重にシンクへと運ぶ。
スポンジを泡立て、食器を洗っていると電話をし終わった光希がキッチンにやって来て、由貴を後ろからぎゅっと抱き締めてきた。
突然、背後から抱き締められ、慌てて彼の腕から逃れようと
試みる。
(もう!さっきから心臓の悪いことばかりすんなよ!)
それなのに、思いの外力強い力が、離れることを阻む。
動揺していることを悟られないよう平静を装おい、そのまま会話を続けた。
『バイト先から電話?』
「ああ……………」
暫し長い間があり、由貴は不審に思い聞き返した。
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