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僕の兄、葉月尚哉(はづきなおや)
若干29歳にして都内屈指の大病院、葉月総合病院の心臓外科医で次期理事長だ。
心臓外科医としてもとても優秀で、医師や患者からの信頼も厚い男。
だが、それは表の顔で裏の顔は僕を支配する冷徹な男(ヒト)
僕、葉月由貴(はづきよしたか)
優秀な兄とは違い、医学方面はまるっきしダメ。
高校を卒業して、進みたいと思っていた芸術大学のデザイン学部へ僕は進んだ。
両親も僕に医学の方に進んで欲しいと言う思い、期待を裏切った僕は、両親に失望され見放されてしまった。
家にも居ずらくなった僕を、兄だけは快く自分のマンションに住まわせてくれた。
まさか、兄の愛玩人形に堕ちるとは、その時の僕は思っても見なかったんだ…────。
この部屋に監禁し、無理矢理に躯を開いた僕に、兄は言った。
────…私はお前のことが憎いよ。
ずっと優秀な兄に憧れ、兄のようになりたいと思っていた僕にとって、兄のそのその言葉は僕の心をズタズタに引き裂いてしまう。
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