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⑤
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『なんで?僕のこと憎いの?』
「由貴に向けられていた期待は今や、全て私に向けられている。その重圧が由貴、お前に解るか?」
『兄さん……』
「お前は好き勝手に、自分の進みたい道を進んでいる」
細いフレームのメガネの縁が、銀色に鈍く光った。
『それは……』
ずっと僕の味方だと思っていた兄が、そんな風に思っていたなんて……。
由貴の心臓が、ズキッ、と痛んだ。
「そんな裏切り者をここに住まわせてやるんだ。感謝するんだな。だが、ここでは私に従ってもらう。いいな、由貴(ゆき)」
────…由貴(ゆき)
『兄さん、僕は由貴(ゆき)じゃないよ。由貴(よしたか)だよ』
「煩い。お前に人権など必要ない。これからは私の愛玩人形として生きるんだ」
弾かれたように、由貴が首を横に振る。
『や、やだっ!僕は人形なんかじゃない。人間だよ』
「煩い。愛玩人形には、それなりの躾が必要だな」
尚哉の腕が由貴の襟首を掴み、乱暴に引き寄せた。
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