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愛玩人形になんかに堕ちるもんか……、と由貴は首を横に振る。
息も絶え絶えに力が抜けて、俯せにシーツの上に崩れ落ちた。
拘束具によって戒められた楔をシーツに押しつけて、由貴は無意識に擦る。
手で扱かれるのとは全く違う、もどかしい快感がある。
『あ、あ、んっ………、あっ………』
────…気持ちいい
シーツに楔を押しつけ擦って快感に耽っていると、そこに突然扉が開き、電話を終えた尚哉が戻ってきた。
「俺が少し目を離した隙にそうやって自慰に耽っていたのか。ハッ、とんだ変態だったわけだ」
『あ、あ……これは違う………』
狼狽し、由貴は視線を泳がせる。
「まぁいい。病院から呼び出されたから、今日は夜勤になる」
尚哉が、クローゼットから新しいシャツとネクタイを取り出しながら言う。
『夜勤……』
「ああ、俺が担当している患者の容態がよくないらしい」
脱ぎ捨てたシャツを椅子の背凭れに掛け、尚哉は柄のない高価なシャツに袖を通した。
ネクタイを締め、軽く後ろに髪を撫で付けた姿に、由貴は思わず見惚れてしまう。
由貴は尚哉のスーツ姿が大好きだった。
ワイシャツの上に白衣を羽織ったら、なおのことかっこいい自慢の兄になる。
だが、今は違う………。
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