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壁に手をつけながら、おぼつかない足取りでバスルームに向かう。
シャツの釦を外そうと指を掛けた時、紅く腫れた手首が視界に入った。
『…………っ』
はっと顔色をなくし、逃げるように視線を引き剥がす。
力の入らない指で何とか釦を外し、シャツを脱ぎ落とすと由貴は浴室に入り、熱いシャワーを浴びた。
シャワーを浴びながら、由貴は震える息を吐き出す。
(僕は兄さんの愛玩人形に堕ちてしまったんだ……)
後悔しても後の祭り。
快楽に負け、愛玩人形に堕ちてもいいと望んだのは他ならぬ自分だ。
それが悔しくて、きゅっと唇を噛み締める。
次第に視界がぼやけてきて、涙が溢れた。
無防備にしゃくり上げる肩が、細かく震える。
止めるすべもなく、ポロポロと零れる涙を、由貴は乱暴に擦った。
『ばか……泣くな……みっともない……。僕自身が望んだんじゃないか……』
ずるずるとその場にしゃがみ込み、由貴は強く己の肩を抱いた。
本当にこれは悪い夢ではないだろうか…───。
大好きだった兄に無理矢理に犯され、躯を支配されたこと。
嫌だと言いつつも快楽に負け愛玩人形に堕ちてしまったこと。
夢であったらどんなにいいか………。
由貴は流れる涙を止めることも出来ず、一人で泣き続けた…────。
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