アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
優しくしないで…①
-
ジリジリと押さえつけられるような不愉快な暑さを拒み、寝室はひんやりと空調が効いている。
目覚めはひどく気怠く、不快なものだった。
媚薬の余韻が今だ躯の奥に残っているのだ。
喘ぎ続けていて、喉もひどく渇いている。
でも、水を飲みに行くことさえ億劫なほど躯は疲れていて、起き上がることが出来ない。
何とか寝返りを打つと、隣で寝ていたであろう尚哉の姿はなく、隣の温もりはとっくに消えていた。
ベットの横の時計を見れば、時計の針は十時を回っている。
尚哉は既に出勤したのだろう。
それにしても喉が渇いたと、気怠い躯を懸命に起こし、ベットから降り立つ。
『………あっ!』
一歩歩いたところで、ガクッと膝から力が抜け、由貴は座り込みそうになった。
何とか踏ん張り、壁に手をつきながら寝室をでて、ヨロヨロとキッチンへと向かう。
キッチンに着くと、冷蔵庫からミネラルウォーターのボトルを取り出した。
ボトルのキャップを開けようとするけれど、うまく力が入らず開けることが出来ない。
仕方がなくミネラルウォーターを冷蔵庫に戻すと、由貴は食器棚からグラスを取り出し、蛇口を捻り水を汲んだ。
ひんやりと冷たい水を口に含むと、渇いた喉を潤し体内へ染み渡っていく。
ふぅと一息ついて、グラスをシンクに置くと不意に玄関のインターフォンが鳴った。
『うわっ!びっくりした』
ビクッと躯が震えて、恐る恐るインターフォンのモニターを覗いて見る。
映ったモニターの画面には、光希の姿があった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
85 / 193