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⑤
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光希をオカズにして自慰に耽ってしまうなんて、僕はなんてことをしてしまったのだろう。
光希を汚してしまうなんて……
由貴は自己嫌悪に陥ってしまう。
と、その時扉を挟んだ廊下の奥で、玄関の扉を開閉する音が聞こえた。
まずい、光希が戻ってきてしまった。
由貴は慌てて洗面所へ向かうと手を洗い、汚れたシャツを洗濯機に放り込む。
新しいシャツに袖を通した所で、光希がひょっこりと顔を覗かせた。
「由貴、ここにいたのか。リビングにいなかったから探したぞ」
光希をオカズに自慰に耽っていたものだから由貴は居たたまれず、まともに光希の顔を見ることが出来ない。
視線を逸らせたまま由貴は答える。
『ご、ごめん。汗をかいたから着替えてて。それより光希こそ何処に行っていたんだよ』
「買い出しだよ、買い出し。お前んち何もねぇから」
光希は手に吊り下げた大きな袋を掲げた。
「俺が旨いもん食わせてやっから」
『えっ!?光希、料理できんの?』
「まぁな。一人暮らしが長いから料理はお手のものさ。だから、期待してろよな」
光希はさっさと踵を返し、キッチンへと向かって行った。
光希がキッチンに消えるのを確認すると、由貴はシャツの釦を止め、長い袖を丁寧に折り返し、ふぅと大きく息を吐いてから洗面所を出た。
すると、キッチンから小気味(こきみ)よい音といい香りが漂ってくる。
由貴が、いつも寂しく一人で食べる豪華な弁当の香りとは違う優しくどこか懐かしい香りだ。
その香りに誘われるように、腹がか細くキュルキュルと空腹を訴える。
光希の奴、一体どんな料理を食わせてくれんのかと、期待を膨らませながら由貴はキッチンへと向かった。
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