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⑦
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「由貴とキス♪由貴とキス♪」
歌うような口ぶりに、由貴は半ば呆れたような顔をして肩を竦めた。
きっと光希のことだから、唇にキスだと勘違いをしているんだろうな。
唇ではなく、頬にキスなんだけどな。
半ば呆れている由貴とは裏腹に、光希は唇にキスをしてもらう気満々だ。
(由貴とキスか……)
先日、由貴に不意打ちでキスをした時、すげぇドキドキした。
由貴の唇は予想以上に柔らかく、しっとりしていて……恐ろしいほどの興奮を光希の心身に沸き立たせたのだ。
由貴と再びキスが出来る、そう考えると嬉しくて嬉しくて光希はグフグフと笑う。
『光希、なんかキモいよ』
「キモいって酷いこと言うな。そう言うところ、高校の時と変わってねぇな」
さて、出来たぞとIHのパッチパネルを押し、出来上がった料理を皿に盛って光希がリビングに向かってくる。
ソファから立ち上がり、ダイニングテーブルにつくと光希がテーブルの上に出来上がった料理を順に並べていく。
そして、光希もテーブルについた。
テーブルの上には、白いご飯に、焼きナスの煮浸し、きゅうりのたたき梅かつお和え、夏野菜のコンソメスープ。
『これ本当に光希が作ったのか?すごい美味しそう』
「さっき見てただろうが」
『そうだった』
「ほら、冷めねぇうちに食えよ」
『うん。では、早速いただきます』
由貴は両手を合わせて、頭を深々と下げた。
箸を手に取り、焼きナスの煮浸しに箸を伸ばす。
その様子をテーブルに頬杖を付き、光希がじっと眺めている。
そうじっと見詰められると、食べずらいんだけど……。
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