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第一章 出会い(10)
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桐谷さんはふっと笑って、言った。
「じゃあ、とりあえず、それでいくか」
俺はほっとした。
「ありがとうございます」
「ただし、話し合ってもうまくいかなかったり、何か困ったことがあったら、相談してほしい。いい?」
「はい。ありがとうございます」
俺は頭を下げた。
「じゃあ、もう行っていいよ。西野ももう部屋で待ってると思うし」
「そうなんですか?」
「この件があって、俺も初めて西野と話したけど、そんなことやらかしたとは信じられないような、気遣いのある、まともな人間だと思った。だから、嶋田なら、きっとうまくやれると思う」
それを聞いて、俺はまた少し安心した。
失礼します、と出て行こうとして、
「あ、あと」
と桐谷さんに呼び止められた。
「はい?」
と振り返ると、桐谷さんはにっと笑って、
「風紀の乱れについて。エロ本、自室に持ち込むくらいは構わないけど、共用スペースに置きっぱなしにしたりとかは禁止してるから。そのつもりで管理して」
などと言うので、俺は急に恐ろしくなった。
桐谷さんはどんな情報ネットワークを持っているんだろう。
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