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第一章 出会い(12)
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「あ、やった。これ、俺らにですよね~」
川口が浮かれた声をあげて、西野に見惚れていた俺は我に返る。
「あ、そう。ほら、えっと、栗山はレモンジーナ、川口はペプシなかったからコカコーラで我慢しろ」
俺が自販機で調達してきたペットボトルを後輩たちに配ると、川口が
「・・・・・・なんで俺の好みまで全部覚えてんの?俺、嶋田さんの前でペプシ飲んだことありましたっけ?すごすぎて、引くんですけど」
「西野さーん、嶋田さんって、こう見えて、すっごい頭いいんですよ。今受けても、理Ⅲ通るとか言われてんですから」
失礼なことを言う栗山に、こう見えて、とは何だ、とか、今受けて通るわけがないだろ、とか、どこからつっこむか迷っているうちに、西野が言った。
「知ってる。中等部でいつも、海音寺と学年トップ競ってたから」
初めて聞く西野の声は、穏やかな、柔らかいものだった。そして、
「今まで話したことなかったけど、嶋田は有名だから、いい噂は皆からいっぱい聞いてます。これからよろしくお願いします。西野まどかです」
と西野は軽く頭を下げた。
俺も慌てて、
「嶋田隆弘です。これから1年よろしくお願いします」
と頭を下げ、
「これ、よかったら。どっちがいい?」
と手に持っていた2種類のペットボトルを自分の胸の高さに掲げた。
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