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第二章 秘密(11)
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最初に気づいたのは、ちょうど1週間前の金曜日。
その日は本当にたまたま、なぜだか夜中の2時過ぎに目が覚めたのだった。
疲れていたし、眠かったが、のどの渇きを覚えたので、西野を起こしてしまわないように願いながら、そっと静かに階段を下りた。
しかし、下段のベッドにいるはずの西野は、そこにいなかった。
そのときは、トイレにでも行っているのだろうとあまり深くは考えなかった。
俺は部屋に備え付けの小さな冷蔵庫からお茶を取り出して飲み、ついでなので、用足しにトイレにも行った。
そこで西野に会うかと思ったが、しかし、トイレには俺の他に誰もいなかった。
俺は自分のベッドに戻り、そのまますぐに眠ろうとしたが、西野の居所がなんとなく気にかかり、どうしても寝付けない。
30分ほど経ったころだろうか、そっとドアが開閉する気配があった。
続いて、ベッドの下段に人が静かに潜り込む気配があって、部屋はまた、そのまま静かになった。
俺が起きてから、少なくとも30分以上は経過していたのだ。その間、西野はどこで何をしていたのだろう。
今考えてもしょうがない、今は寝るべきだ、考えないようにしよう、そう頭の中で繰り返しながら、俺はなんとか再び眠りについたのだった。
翌土曜日、やや寝不足の気分のまま、俺が目を覚ますと、西野はとっくに起きていて、いつもと変わらない爽やかな笑顔で、俺に「おはよう」と言った。
「シーツ、洗おうと思ってるんだ。嶋田は今日も部活あるんでしょ。よければ、嶋田のも洗っとくよ」
その清潔感あふれる西野の佇まいから、今、その正反対の何かを読み取れないかと探ろうとしている自分に気づいて、俺は内心、自分を恥じた。
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