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第二章 秘密(14)
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「あの日、追いコンの最中、海音寺とまどかちゃんがその場にいないことに最初に気がついたのは、橋本だったんだよ。橋本ってわかる?物理科学部の全国大会で、総理大臣賞もらったこともある、ちょっと太ってて眼鏡かけてる。
海音寺、寮長だったし、きっと後輩には内緒で、追いコンの隠し芸かなんかの準備してるんだって橋本が言って、卒業生なわけだし、俺らは見に行ってもいいんじゃないか、なんか手伝うことあったら手伝おうって。
追いコンやってた講堂の近くには見当たらなかったから、部屋に戻ってるのかもしれないって、俺ら、海音寺たちの部屋まで行ったんだ。
部屋まで行ったら、中で人の気配があったから、ああ、いた、って思って、俺ら、何も考えずに、いきなりドア開けたら、・・・・・・海音寺とまどかちゃんがベッドで裸で抱き合ってた。
すっごい、すっごい、びっくりした。やばい、どうしよう、って心臓が壊れそうになりながら、何も言えずに立ってたら、起き上がった海音寺が、何でもないことみたいに、お前らも来る?って。
それから、海音寺がまどかちゃんに、別にいいだろ?って訊いたら、まどかちゃんも、ちょっと小首かしげて、別にいいよって言って、どうするの?って感じで、俺らの方を見上げたんだ。
そのときのまどかちゃんが、すごく綺麗で。
俺、最初にふたりがベッドにいるの見たとき、すごいびびってた。俺、彼女ともう経験あるみたいなことみんなに言っちゃってるけど、ほんとは全然キスどまりで、セックスなんかまだまだとんでもないってかんじで、だから、明らかに初めてじゃないって雰囲気の海音寺とまどかちゃんにすごい気後れしてたんだ。
だけど、そのときのまどかちゃん見たら、なんか猛烈にほしくなって。
橋本だって絶対童貞だと思うけど、同じだったと思う。
なんか、セイレーンの歌声に引き寄せられる船人ってこんなかんじなのかなって後から思ったよ。
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