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第四章 夏の終わり(4)
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「寮長室って、西野も行ったことあると思うんだけど、一階の角部屋だろ?で、あの応接室兼ねた勉強部屋の隣、建物の一番端側に、続き部屋になってる寝室があるらしいんだよ。
桐谷さんが言うには、もともとあの部屋自体、別に寮長室とかじゃなくて、昔、理事長の息子か誰か、関係者が入学してきたときに特別にしつらえられた部屋で、そいつが当時ピアノやってたとかで、その寝室だけ防音加工がしてあるっていうんだ。
つまり、俺が寮長室に移ったら、音のこととか気にせず、西野と、その」
俺はそこで言葉に詰まったが、西野は俺の意図をくみ取って、ふっと笑い、
「そんなに、したい?」
と可愛らしく小首をかしげた。俺は臆することなく、
「したい」
と断言し、
「西野はしたくないの?」
と尋ねると、西野はちょっと返事を迷ったあと、
「俺も、したいよ」
と小さな声で答えて、恥ずかしそうに、俺の胸に顔をうずめた。
その様子を見て、このまま我慢するなんて、たとえ10月までですら、つらすぎると、俺はあらためて思った。
俺たちは、実家から寮に戻ってからも、もちろん、何度かセックスしようと試みたのだが、西野が俺に触れられるとどうしても声を我慢できなくて、実家で過ごしたあの最後の夜以来ずっと、俺が西野の身体に触れることはお預けになっているのだった。
そんなふうで西寮時代、海音寺とはどうしていたのだと俺は疑問に思ったのだが、西野に言わせると、あんなのは自慰の延長だし、自慰で声が出たりするわけがない、好きな人に触れられるのとは全然別物だ、とのことで、その答えは、俺を優越感に浸らせたり、逆に、歯がゆく感じさせたりした。
俺自身は、西野に口や指で慰めてもらってはいるし、それはそれでもちろん、目が眩みそうなほど気持ちいいのだが、俺はもうそれだけでは満足できなくなっていた。
俺は、西野に触れたいのだった。そして、気が遠くなるほど、声をあげさせ、何度も何度もいかせたかった。
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