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第六章 海音寺(1)
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俺が約束の昼休みに学校の食堂に向かうと、先に来ていた相手の方から、
「まどか。ここ」
と声をかけられた。
俺は、わかった、という合図に軽く手をあげ、カウンターで定食を受け取ると、海音寺のいる窓際のテーブルに向かい、彼の正面の席に腰を下ろした。
海音寺は笑顔で、
「久しぶりじゃん。意外と顔合わせないもんだな。元気だった?」
と俺に言った。俺も
「うん、ほんと久しぶり。元気だったよ。海音寺も元気そう」
と無難に調子を合わせた。
お互い寮長になってから、俺たちは今日初めてここで顔を合わせた。11月には、外部の一般客にも開放される寮祭を控えていて、その日、第一、第二、双方の寮で行われる予定のイベントや模擬店、展示物等の内容がかぶりすぎないように、事前にすり合わせを行う必要があった。
「早速だけど、時間ないし、食べながらでも打ち合わせいい?俺、一応、今までのところ、第一で予定されてるイベントとかの情報、プリントアウトしてきたんだけど」
俺が持参してきた資料をテーブルの空きスペースに並べようとすると、
「まどか、綺麗になったよな」
海音寺は俺の話を無視して、そんなことを言った。
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