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☆バレンタイン☆ 3
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黒塗りの外国製の車だった。
スーッと、運転席の窓が開く。
なんと、社長秘書の絢斗だった。
「近江さん、素早く車に乗って下さい」
「え?あ、はい」
崇人は混乱していたが、絢斗に淡々と言われ車に近寄る。
ドアを開けると、壱夜がいた。
「…壱…」
「それ以上は、ドアを閉めてから、お願いします」
絢斗に言われて、慌てて乗り込む。
「…崇人さん!」
まるで尻尾を振る犬のように、壱夜は嬉しそうに崇人に言う。
「壱夜、何がどうなって…」
「絢斗さんに、ワガママを言ってしまって…。どうしても崇人さんに今日、会いたくて」
壱夜は崇人の両手を握った。
「嬉しいけど…ヤバいんじゃねーの?色々と…」
壱夜は前に家出をしたから、監視されている身だ。
「…だから、絢斗さんしか頼めなくて」
「私は、壱夜くんの『買い物』をするために呼ばれたという、役目です」
運転席の絢斗が言う。
車が動いた。
壱夜が、口を開いた。
「もし、何かあった時、崇人さんとは『偶然』会った…というシナリオにしました」
「監視の目を気にして、だな?」
「はい」
次期社長、跡取りは大変だ。
「…で?どこに向かっているんだ?」
「百貨店に」
壱夜は崇人の手を握りながら、微笑んだ。
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