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☆バレンタイン☆ 4
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紳士服売り場に着いた。
フロアを歩いていると、壱夜が一軒の店に入った。
「っ!これは、花杜様!!」
店の店長らしき男性が、壱夜に対して深々とおじきをした。
「どのような、お品をお探しですか?」
「…少し2人きりで、店内を見てもいいですか?」
「はい、ぜひ」
壱夜は店長に、断りを入れた。
絢斗は店の前で待っている。
「…ここの、常連?」
崇人は小さな声で、壱夜に聞いた。
「はい」
そう言われて、納得した。
品の良い品が、並んでいるからだ。
「崇人さんに、バレンタインの贈り物がしたくて…でも、考えても考えつかなくて」
「俺も。なんか、独特の空気でチョコ買いに行けなかった」
その言葉に、壱夜が驚いた。
「売り場は、女性ばかりじゃないですか?」
「そうなんだよ…。で、代わりの物と思ったんだけど、考えつかなかった」
「俺は、ここで崇人にネクタイを選びたかったんです。俺の選んだ物を着けて欲しいです」
壱夜にしては珍しい。
こんな恋人の本音を聞けるなら、バレンタインも悪くない。
「俺の事を独占したい?いいよ、俺も壱夜にプレゼントしたい」
そう言うと、壱夜は微笑んだ。
「でもさ、会社勤めだから2月3月って決算と被るだろ?」
「そうですね」
「俺は得意先廻りで出張多くなるから、3月のホワイトデーは一緒に過ごせられないんだよな…」
はぁ…、と崇人はため息をついた。
「じゃあ、ホワイトデーの分も買いましょうか」
「そうだな。それを着けながらなら、忙しくても頑張れそう」
お互いの顔を見て、微笑みあう。
ネクタイのショーケースの前に、着いた。
「…どれがいいですか?」
「選んでくれるって、言ってた気がするけど?」
壱夜は困った顔をしていた。
「そうなんですけど…いざ決めようとしても、崇人さんの好みもあるかと思ったら」
「壱夜が選んでくれたのなら、何だっていいよ」
「崇人さん、そんな事言ったら変なの選びますよ?」
「全然いいって。まぁ、俺も壱夜に合うのわからないし」
綺麗な顔の壱夜には、一体どんなネクタイが合うのか?
(俺だって、不安はあるけど)
壱夜が自分の選んだネクタイをしてくれると思ったら、興奮してしまう。
「何種類か持って、試着室に持っていきましょうか」
「そうだな」
何枚かのネクタイを持って、2人で試着室に入った。
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