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話し 3 *壱夜の事情*
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崇人は、何気なく壱夜の事を聞くことにした。
「壱夜、兄弟は?」
「いないです。1人ですね」
「ん~じゃあ家で、こんな綺麗な顔しているのお前だけなの?」
「綺麗かどうかは…。ただ、自分は顔は母似なんだそうです。性格は父に似てると言われました」
「そっか、男は母親に似てるといいって聞いた事がある」
崇人は、壱夜の頬を撫でる。
「崇人さんだけですよ。この顔を綺麗だって言うのは」
壱夜は目を細めながら言った。
「うちは、家族でいても会話が極端に無いんです。
祖父は母屋に住んでいるので会う事は少ないですけど」
壱夜は嫌なことを思い出したらしく、首をふった。
「いくら頑張っても認めてもらえない、誉められない、自由も無い」
壱夜は崇人の首にしがみついた。
「だから今、崇人さんに会えた事に…感謝したい」
崇人は壱夜の背中を、ポンポンッと叩いた。
壱夜の頬が崇人の頬に擦りよる。
「…祖父は厳格な人で、絶対的な存在なんです」
壱夜は、ボソボソッと身の上を話し出す。
「追手というのも、祖父の会社の部下の人達です」
「あぁ、身内って言ってたよな」
(それは雰囲気から漂う。正真正銘、血統書付きの王子なんだな…)
崇人は、今まで考えていた事に納得した。
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