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再会 2
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入社式が無事に終わった。
社長と絢斗、そして壱夜が先に部屋を出た。
崇人は未だに信じられず、ボーッと壱夜が出ていったドアを見ていた。
社員達が、各自の持ち場に戻る。
「どうしたんだよ、崇人」
圭汰が崇人の肩を抱いた。
「…いや、何でもない」
「ふーん。なら、いいけど?仕事人間のお前が、仕事したくないのかなって」
「いや?仕事するために、雇われて会社に来ているのだから、それはないな」
「だよな!いつものお前だな!」
(圭汰に心配かけたか)
「何か悪いな」
「な~に謝ってんだよ!崇人の事を考えてやるのは俺だけだからな」
「気持ち悪いな、ソレは」
「何だよ~っ!」
親友のお陰で、気分が軽くなった。
出逢えた奇跡は、これだけではなかった。
部屋に戻ると、呼び止められた。
「近江班長、これ頼まれていた案件です」
崇人の班の部下、去年入社してきた部下の堀川 琴(ほりかわ こと) が資料を渡してきた。
「あぁ、すまない。ありがとう」
「いいえ、他に何かありますか?」
琴が聞いてきた。
「いや、今はない。堀川の仕事をしてくれて構わないよ」
部下の扱いは、まだ慣れないが何とか育ててあげようと思っていた。
「近江班長~、俺も休憩してもいい?」
もう1人の部下の、山下 経厚(やました つねあつ) が崇人に言う。
「お前なぁ…会社に来て早々、何言ってるんだよ」
「仕事終わってしまったので」
ニヤリと笑い、書類を崇人に渡す。
「だから、俺も琴と一緒に休憩する」
「何言ってるのですか?!私は、これから入力する書類があるんです!山下先輩働いて下さい。ね、近江班長?」
「仕事が簡単だったか。山下に丁度よい案件あったな」
机の上から、1枚の紙切れを渡す。
「期限は3日。資料を調べて簡潔にまとめて、顧客の所に行ってプレゼンしてくる。よし、仕事始めろ」
「え~っ!!鬼だな!これ、1人でするんスか?!」
「当たり前だ。俺はお前なら、出来ると思っていたんだが…」
「っ!やります!」
崇人に期待されているとわかると、経厚は急いで資料室へと行った。
「悪いな、堀川。嫌な奴ではないんだか…」
「いえ、近江班長が気にすることではないです。いつかセクハラで訴えるかもしれませんが」
「酷かったら、相談してくれ。使い物にならないようにしてやるから」
「ふふっ、その時は是非、相談しますね」
そう言うと、琴は自分の席に戻って行った。
経厚は悪い奴では無いし仕事は出来るが、琴に対して何かあるらしく絡んでくる。
やれやれ、と思っていると後ろから声をかけられた。
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