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787 (R18)
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俺を跨ぐように膝立ちになったウサギの、細い腰を引く。
匂いだけじゃなく、鼓動や温もりまで伝わってくる距離にある肌。白く滑らかで無駄な肉がついていない、けれど柔らかい肌が手に吸いついてくる。
脇腹をなぞっていた指を上へと滑らせ、身体の輪郭を確かめるようにして胸元に到達する。
素直じゃないウサギの、慎ましやかで、けれど過敏な箇所へと唇を押し当てた。
「ふっ……ん」
軽く吸っただけで鼻から抜けるような声を漏らし、肩にしがみついたウサギの指の力が強まる。
もっとしっかり掴めって言ったのに遠慮した手、その気遣いは嬉しいけれどそんなの出来なくなるほど乱したい。
邪な気持ちを込めて、薄く開いた唇から肌へと舌を這わす。
掬って、濡らして甘く食んで強く噛む。その一連の動作にウサギの腰は跳ね、宙に浮いた尻をすぐさま両手で包みこんだ。
軽く揉むと俺を見下ろすその目元が赤く染まる。
「ッ……リカちゃん、その手…なんか変態」
「ただ支えてるだけだって。それよりお前、相変わらず肉付かないのな」
まだ大人になりきれてない未熟な身体。この奥に秘められたものを暴きたい……そう思う輩がいつ現れるかはわからない。
これから先、ウサギは俺の知らないところで、知らないやつと新しい関係を築いていく。その過程で何が起こるかなんて誰にも予測できない。
先の見えない不安を誤魔化すように目の前の蕾に食らいつく。
緩めだった胸への愛撫が急に激しくなったことに、ウサギから短い嬌声が途切れ途切れに出る。
「あっ…や、やっ……んぁっ」
「慧、声」
「ふ……んんっ…ん」
声を指摘するとウサギは自分の手で口を押えた。けれど片手で身体を支え切れるはずはなく、ずり落ちそうになって必死にしがみつく。
間近で揺れる瞳がなんとかしろと訴えかけてきて、俺はウサギの頭を抱えた。それを自分の肩に押し付けると、首を振ったウサギの髪が顔に当たってくすぐったい。
いやだ、いやだと首を振るウサギを諌める。
「おとなしく突っ伏しとけ。お前が声を我慢出来るなんて初めから思ってないから」
「でも!シャツが濡れちゃう…リカちゃんこの後も仕事あんのに……」
どうやら自分の涎や涙でシャツを汚すことが心配だったらしい。この状態でそんなことを気にできる、それはかなり予想外だった。
「そこなら上から何か羽織れば見えない。なんならこのまま俺も脱いでやろうか?」
ウサギによって前は開かれているのだから、袖を抜くだけで残りは簡単に脱げる。そう問いかけた俺に、ウサギは躊躇った後、小さな声で答えた。
「それは…やだ」
ギュっと抱き付いてきたウサギと俺の素肌がぶつかり、僅かに合わさって心地いい。
人より少し高めの体温の持ち主は、顔を見せまいと首元に顔を埋めてしまう。
そこから伝わるのは、あたたかいというよりは熱い、熱すぎる火照りだった。
「もし見られたら、絶対やだから。リカちゃんの裸を見れんのは俺だけ…あんな綺麗なの誰にも見せたくないから、だから絶対に脱いじゃやだ」
まるで早口言葉のように告げられた可愛過ぎる我儘。
息をすれば聞こえないほどの小さな声で紡がれた言葉に、俺の理性は簡単に切れる。
素直じゃなくて生意気なくせに、こういう時だけは容赦なくやってくれるウサギに震えた。
しがみつくウサギを優しく宥め、立ち上がった俺が向かうのは扉だ。
しばらく誰も来ないと断言できるほど自信がある。だから鍵なんて掛けなくても覗かれる心配は限りなくゼロに近い。
では何故、今俺は鍵を掛けたのか…その理由は外からの侵入じゃない。
「慧君慧君、そうやって可愛いことばっかり言われると俺がどうしたくなると思う?」
部屋の中を振り返った俺は、ソファに1人置き去りにされ、早く帰って来てと耳を垂れている子に微笑みかけた。
カフスのボタンを外し、貰ったネクタイを丁寧に解いて首から抜く。それを見ているウサギは瞬きを繰り返し、少し戸惑っているようにも見受けられる。
返ってこない返答を楽しく思える。なんて教え甲斐のある生徒なんだろうか。
「わからないなら優しい先生が教えてあげる。2人だけの特別授業をしようね……兎丸慧君」
デスクに放った白いシャツが舞って、その間から驚いた淡色の瞳が見えた。それが黒でいっぱいになった時、2つの影は重なる。
科目室は今日も誰にも言えない秘密で溢れている。
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