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「まあまあ。ウサマルと俺はお友達、俺とこいつもお友達……ってことで、ちょっとウサマルの意見も聞かせてや」
にっこりと笑った幸、そして期待した顔をしている向かいの男。ここで嫌だと言えるのは、あの性悪兄弟だけだろう。
「意見って言われても……俺、今のやつ以外と付き合ったことないし、正直わかんない」
「せやけど、そのリカちゃんとは付き合って2年経つんやろ?こいつより長いやん」
こいつ、と幸に言われた男は大きく頷き「俺は1年だから」と付け足した。
「別に、特別なことはしてないんだけど」
人よりちょっとイレギュラーな関係から始まったのは確かだけど、特別何かがあったわけではない……こともない。幸たちに答えたのは嘘だ。
リカちゃんとの2年間、特に1年目は色々あったと思う。
始まりからフラれ、脅され、付き合ったと思ったら半年ぐらいで離れるって言われ……でもって卒業と同時にプロポーズ。
俺ほど波乱万丈な人生を送った高校生って、絶対に少ないだろう。
「うちの場合は、あいつがおかしいんだよ。基本何を考えてるかわかんないし、聞いても教えてくれないし」
「それって秘密主義ってこと?」
訊ねてきた目の前の男に、俺は少し考えて首を振った。
「いや、そういうんじゃなくて……全部気づかないうちに済んでて、後から悪びれもなく教えられる。向こうは1人で何でも出来るから相談とかって無いし」
「えー……それって男の面子潰されてんじゃん。兎丸の彼女って年上?」
コクンと頷くと、そいつは納得したみたいだった。
それまで黙って見守っていた幸が、急に口を開く。
「ウサマルんとこはさ、週どんぐらいヤッってんの?」
一瞬にして空気が凍りついた。けれど、それは俺だけらしく、聞いてきた幸と向かいの男は目をキラキラさせて見つめてくる。
「……やだ。言いたくない」
顔を背けて拒否すれば目の前のやつが覗き込んできて、ニヤニヤと笑う。
「やだって言ってんだろ!!なんでそんなの言わなきゃなんねぇんだよ!」
反対に向けば今度は幸。そこで簡単に俺の怒りは爆発した。
「そんなの言う意味がわかんねぇし!!」
「だからぁ、普通のカップルがどんくらいの頻度でヤッてるか気になるやん。ちなみに倦怠期のお前は何回?」
「あ、俺らは週2会うけど、会った時は3回かな」
「やって。てことは、同棲中のウサマルは週4ぐらいでヤッってんの?昨日もヤッたみたいやもんな」
「そんなにしてねぇよ!忙しい時はそれどころじゃなくて週1あればいいぐら……い、だ」
また口車に乗せられ、悔しくて口を噛む。
てっきりバカにしてくると思った幸は、意外にも何も言ってこない。その代弁を向かいのヤツがしてくれる。
「っていうかさ、俺より兎丸の方が倦怠期じゃない?いくら忙しくても週1ってヤバくね??」
「……え?」
言葉というには短すぎる俺の返しに、男はストレートに言い放った。
「いつでも触れる距離にいて触りたくならないって、完全に冷めてると思うけど。俺なら、どんなに忙しくても触りたいし、拒否られると萎える」
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