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117 (R18)
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嫌いだと言ってやってから、リカちゃんの動きは明らかに変わった。どう変わったかは上手く言えないけれど、さっきまでのそれとは全然違う。
無理に逃げようとした身体はソファから落ち、背中には床の感触が触れる。冷たく硬いそれは、まるで今の2人の関係みたいだ。
強引さが目立つ指先。歪なままの唇。その両方で俺の胸の尖りを執拗に弄る。
まるで壊そうとしているようだった。
「あっ……う…ぁっ、やだ」
「声、出てるよ。こっちとしては嬉しい限りだけどね」
「うるさ、いっ……ひ、いあぁっ」
胸の突起を引っ張られ、声が引き攣る。嫌だと首を振る度にフローリングに当たる後頭部が痛くて、でも身体は気持ち良くて疼く。
言葉で拒絶し、身体で受け入れる俺にリカちゃんは容赦しない。絶妙な力加減での愛撫に自然と腰が揺れる。
「んん、んっ……あ」
張り詰めた下半身が痛い。快感に弱すぎる俺の身体は、リカちゃんの動作1つ1つに反応して、続きを求める動きをみせた。
ねだる声を上げ、自分からそこを押しつけて促す。けれどリカちゃんは俺の下半身には触れようとしない。あくまで胸だけを弄り、胸だけで俺を攻める。
「そこやだ、やだっ……や、あうっ」
「ここが嫌なら、どこを触ってほしい?」
ぐりぐりと押し付けられる膝。既に硬く勃ち上がった性器に、リカちゃんの骨ばった膝が当たる。
「んあっ、ああっ」
それだけで、とてつもなく気持ちが良かった。優しさなんて全くない行為なのに、強制的な快感が押し寄せてくる。
「あっ、あっ……あ」
「やっばぁ…慧君、膝で蹴られても気持ちいいんだ?」
「や……ち、がう……ち、んぁっ」
服すら脱がされていないのに、俺のそれは鳴る。ぐちゅぐちゅと、下着の中で水音を立てて育っていく。
「慧君、イかせてほしかったら撤回しろ。今すぐ俺に謝れ」
指で乳首を弄び、膝で性器を苛めるリカちゃんが命令する。俺はそれを目一杯、跳ね除けた。
「嫌だっ…絶対に……んっ、く、っ……、絶対にやだ!」
それだけじゃ足りなくて、思いつく限りに罵倒する。離せと叫んで、縛られた腕を必死に動かして。暴れる度に膝が当たって甘く疼くけれど、それよりも逃げることを優先した。
「離せ!嫌いだっ、お前なんか嫌いだ!!」
リカちゃんが後ずさった隙に、両足をばたつかせて猛抗議した。きっと力は入っていなかったけれど、何もしないよりはマシだと思った。
それは思った以上に効果があったようで、リカちゃんの動きが止まる。
「……もういい」
小さな呟きと共にリカちゃんが離れていく。
俺の気持ちがやっと伝わったんだと思い、細く安堵の息を吐いた。強張っていた身体から力が抜けていくのがわかる。
張り詰めていた緊張の糸を解く俺の目の前で、リカちゃんは大きく前髪を掻き上げた。
そこから覗くのは、微動だにしない眉。寄ることも、垂れることもない綺麗な形のその下には、伏せられた瞼がある。
明るすぎる蛍光灯の光を受け、濃い影を落としていた睫毛が揺れる。それは開かれることはなくて、静かに首を振ったリカちゃんは、また同じ言葉を呟いた。
男相手に使うのは変かもしれないけれど、その声は鈴が鳴ったみたいに綺麗だった。
「もういい。もういいから」
泣きたいのは俺の方なのに、泣きそうなのはリカちゃんだった。人に酷いことをして、それなのに自分が泣きそうになるなんて勝手すぎると思う。
「リカちゃ──?!」
名前を呼ぼうとして、戸惑う。見えていたはずのリカちゃんが見えなくなって、代わりにローテーブルの脚が間近に見えた。
うつ伏せに倒されたのだと気づき、上げかけた顔が固まる。
ガンッ、だか、ゴツッだか聞き取れない音。
目の前に打ちつけられた拳はリカちゃんのもので、それがもう1度床を叩く。力一杯、フローリングを殴ったリカちゃんが俺のうなじにキスを落とした。
床を殴ったその手が、俺の服と下着を一気にずり下ろす。
「慧君、続きしよっか」
もう嫌だなんて言えなかった。
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