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213 (R18)
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霞みゆく意識の中で伸ばした手は、誰宛でもない。別に助けてほしいわけでもなく、なんとなく伸ばしただけ。この強すぎる快感から無意識に逃げなきゃと思っただけ。
それを掴んだリカちゃんが強く握ってくれる。俺をこんな風にしたのはリカちゃんなのに、安心させてくれるのもリカちゃんしかいない。
「……っ、慧……慧」
人の手を握ったまま、人の中を好き勝手に犯したまま、リカちゃんは俺を呼ぶ。
俺はここにいるのに、こんなに近くにいるのに探すかのような心細い声。それがもどかしくて握ったリカちゃんの手の甲に爪を立てると、後ろから覆いかぶさってくる身体が微かに震えた。
「リカちゃっ……ん、ん……はぁっ、あ」
加減のできない力でリカちゃんを受け入れる。自分がいつ絶頂を向かえるのかがわからなくて、もしかしたら今がその時なのかもしれない。
それぐらい何も考えられずに、リカちゃんの成すがままだ。
視界が揺れて、開きっぱなしの口からは声が止まらない。頬を汚すものの正体は、唾液なのか汗なのか、両方なのかの判断もつかない。
わかるのはリカちゃんが俺の中にいるってこと。
俺の身体はリカちゃんしか受け入れないってこと。
それぐらいだろう。
「慧、好きだ……好き……っ……は、好き」
短い吐息を織り交ぜながらリカちゃんは俺に『好き』をくれる。ううん、好きだけじゃなく全てをくれる。
俺の邪魔をするなら自分さえ許さない。俺の選んだことなら、俺の気の済むまで見守ってくれる。それは甘いようで時に厳しくて、でもどちらも優しいんだと思う。俺に全てをくれるリカちゃんだからこそ、そんな風に言えるんだろう。
リカちゃんにとって俺は全て。その行動も思考も、俺の存在があってのこと。
俺にとってリカちゃんは絶対。リカちゃんの行動の全部が気になって、リカちゃんの全てを教えてほしくて、でも自分の意志は曲げたくない。そしてそれを受け入れてほしい。
「リカちゃん、もっと、もっと……言って、もっと」
「もっと?……はっ、このワガママ」
「いいからっ、いい……あっ、やだ、そこ……早くっ、言え」
「そういうところが好き。本当に……好き、すごく好き」
好きだと言ったリカちゃんが後ろで果てた。じんわりとした熱いものが広がって、それを求めていた身体が喜ぶ。嬉しい嬉しいって、頭と心が大騒ぎする。
でも俺は素直じゃないから、言えない。
言えない代わりにリカちゃんの手に頬ずりをする。それが失敗だと気づいたのは、瞬間のことだ。
まだ中に入ったままだったリカちゃんのそれが大きくなり、妖しい動きを見せた時には遅かった。
1年2組の教室には近づいてはいけない。夜になると妖しい声が聞こえ、覗くと最後──。
「愛してるよ、慧君」
こんな甘ったるい囁きが聞こえるかもしれない。
なんて、冗談じゃないから笑えない。
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